【ニュース・ドイツ】教育と研究における未来への投資

連邦内閣は2017年6月28日、2018年第1次連邦予算案と2021年までの財政計画を閣議決定した。連邦教育研究省(Bundesministerium für Bildung und Forschung:BMBF)の予算は約176億ユーロとなり記録的な水準を維持し続けている。今回の政府の任期だけでもBMBFの予算は約40億ユーロ増え、前期と比較して27%増となった。教育と研究における未来への投資は2005年から実に2倍以上に増えている。これは、現連邦政府の首尾一貫した教育研究政策の結果である。来期からの予算案がどのような形になるかは分からないにしても、2018年の予算案はこの政策を継続するものである。

 

BMBFの大幅な予算増加を受けて以下のことが達成された:

  • 2015年に初めて、ドイツにおいて対GDP比の3%を研究開発に投資したこと。その3%のうち、BMBFの支出額は90億ユーロに上り、これは連邦政府による研究開発への支出の大半を占める。
  • ドイツにおける学術及び研究機関の国際競争力を、持続的に強化していくこと。そのための予算として、1年ごとに3%ずつ予算の増加を保証できるのは、連邦政府のみである。
  • 大学と学生のために2017年には約77億ユーロを準備したこと。これは、第17期連邦議会(2009年~2012年)の終わりに決定した金額より34%多い。
  • 2018年には、研究と技術革新のためのハイテク戦略プログラムのため、2013年に比して約25% 多い資金を調達したこと。BMBFによるハイテク戦略のための支援として、2018年には合計で25億5,000万ユーロが供されている。重点は、デジタル化、マイクロ・エレクトロニクス、エネルギー研究および健康に関する研究である。
  • ドイツ全体で技術革新が構造的に弱い地域を新たに支援するべく、「WIR(Wandel durch Innovationen in der Region)地域での技術革新による変化」という支援プログラムが新たに開始されること。この支援策は、拡大される東ドイツ諸州における技術革新支援を2018年度には1億6,000万ユーロ行い、今後も発展していくものである。
  • 連邦政府が特にその支援に重きを置いている職業教育のための資金は、第18期連邦議会(2013年~2017年)の期間のみで40%以上増加していること。2018年度には現在のところ、約5億9,000万ユーロが予定されている。職業教育では、向上訓練支援法による支援金の値上げと並んで特に職業指導プログラムが7,700万ユーロと高い水準で継続されている。さらに2,000万ユーロは、特別に難民向け職業指導に充てられる。

2017年6月28日

 

BMBF:Zukunftsinvestitionen in Bildung und Forschung

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究