【ニュース・ドイツ】学術における男女の雇用機会均等-ドイツ研究振興協会(DFG)の新たな指針

ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)は、学術における男女の雇用機会均等を、新たな内容として付け加えることで、さらに促進しようとしている。
ドイツ最大の研究助成機関であり、ドイツ中央学術振興自治組織であるDFGは、2017年7月5日に行われたハレ(ザーレ)の年次総会において、男女の雇用機会均等に関する複合的な決議を行った。この決議はいわゆる「研究関連男女平等スタンダード」設置の流れに沿って、男女の雇用機会均等対策の実施を継続することを図るものである。また、男女の雇用機会均等というテーマは、法定目標であるため、DFGの活動にとって極めて重要な意味を持ち、将来的にも大きな役割を果たす。
この決議は、ドイツにおける女性教授と学術の指導的地位における女性の数が、確かに伸びつつあるものの、未だに雇用機会が均等ではなく、遅れをとっているという背景から生じている。

 

大学における男女の雇用機会均等の強化に関して、DFGはすでに2008年に、会員によりコミットメントとして採択された「研究関連男女平等スタンダード」を導入した。このスタンダードは、DFGにより行われた研究調査が示しているように、男女の雇用機会均等を促進する構造を作り、対策を立てる上で有効であった。すなわち、組織の発展に、このスタンダードが、多くの点で、寄与したことを示しているのである。
研究調査によれば、様々な(政治的)イニシアティブやプログラムと共に、「研究関連男女平等スタンダード」もまた、学術システムにおける男女の雇用機会均等の意義を強調する点で大きく貢献している。

 

研究調査の結果を受けて、年次総会によって設置された研究チームは、「研究関連男女平等スタンダード」の継続を提言した。
DGFの会員はこの提言に賛同し、各々のコミットメントを改定した。年次総会において、DFGの会長と理事会は、加盟機関における男女の雇用機会均等が、学術システムと同じくらい重要視されることを歓迎した。

 

さらに、「研究関連男女平等スタンダード」の継続に関して委員会は、男女の雇用機会均等に関する質の高いコンセプトの作成とその実施を2018年度末までに行うことを決定した。このコンセプトの作成に際して、DFGは、構造的な課題を念頭に、その助成プロセスと手段を調査し、適切な対策によって、男女の雇用機会均等を促進することを目指す。さらに、キャリアと人材育成や、仕事とプライベート、あるいは家庭との両立といった観点への促進活動も調査される予定である。

 

DFGは、2017年3月にすでに、意思決定委員会とその部会での女性研究者比率を30パーセントにするという目標を定めている。この値は、22パーセントという現在の女性教授の比率を明らかに超えているので、とても高い目標値であるが、女性研究者の参加に関していえば、DFGでは、専門分野によってはむしろ女性優勢であり、委員会ではすでに22パーセントの割合に到達している。

 

2017年7月5日

 

DFG:Gleichstellung in der Wissenschaft:DFG setzt neue Akzente

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
人材育成 研究人材の多様性