【ニュース・ドイツ】学問有期契約法(WISSENSCHAFTSZEITVERTRAGSGESETZ)のさらなる発展に関するHRKの姿勢

 
学問有期契約法(Wissenschaftszeitvertragsgesetz:WissZeitVG)のさらなる発展に関する議論の中で、ドイツ大学長会議(Hochschulrektorenkonferenz: HRK)は、学術分野における有期契約特別法の制度的重要性について、政治家に再び注意を促している。これは学術的要件の適切な組織化と促進、および高等教育機関の複雑な業務の遂行に必要なものであり、今後も継続していく。

 
7月初旬に大学メンバーグループから提出されたディスカッションペーパーに続き、昨日イエナで開催されたHRK総会でも、将来的には、学術的要件修得期間を最大10年に統一する(さらに家庭の事情による要素を加える)という提案が再確認された。大学側にとっても望ましい職業能力開発の計画性に鑑み、この期間を利用して、学術的素養を修得した当該者が学術分野でのキャリアが有望かどうかを判断する必要がある。遅くともこの学術的要件修得期間が終了した時点で、キャリアパスはジュニア・プロフェッサー職(テニュア付)か、教授職と並ぶ終身的な地位、あるいは学外への転出(これが圧倒的に多いケースである)のいずれかとなる。WissZeitVGは、この目的のために、学術分野に適した方法で有期雇用契約を構築する可能性を提供する。

 
学術的要件修得期間のうちの博士課程とそれに続くポスドク段階は、学術に関連し必然的に競争の激しい期間であるため、それぞれに適切な契約期間が必要とされる。HRK総会は、両段階で取得すべき能力は広範囲に及び、常に個人に固有のものであると強調した。これは、決して現職研修とは比較にならない。

 
さらに、高等教育機関はその使命として、博士課程およびポスドク段階で早期キャリアを積んだ研究者を、専らアカデミックなキャリアパスに限定するのではなく、学術的な素養を持つ人材の需要が大きい高等教育機関以外の労働市場を主な対象とする。高等教育機関が、社会的・経済的イノベーションの中心であるこの教育的責務を果たすためには、それぞれの段階が適切なタイミングでなければならない。

 
学術的要件修得期間の第一段階において、HRK総会は、博士号取得を明確な要件とする最初の雇用契約には、最低3年の期間を設けるべきであると述べている。博士号を取得するまでは、この第一段階は最長6年に制限されるべきである。

 
第二段階として、通常博士課程修了後それに続くポスドク期間においては、立法者は少なくとも4年の期間を認めるべきであり、これにより、とりわけ応用科学大学/専門大学のタンデム教授職やテニュアトラック任用の枠内での接続性を確保することができる。

 
原則として、学術的要件修得のための有期契約に加え、WissZeitVGに基づく第三者資金による有期契約という選択肢は保持されなければならない。これにより、キャリアの初期段階にある研究者が、学術的に適切かつ柔軟に個々のキャリアパスを追求することができ、高等教育機関が州の高等教育法に従ってその責務を果たすことができる。一方で連邦政府は、自らのプロジェクト資金においてWissZeitVGの目的を達成することを求められている。

 
HRKのPeter-André Alt会長は、次のように強調した。「WissZeitVGの改正案の焦点は、必然的にドイツの高等教育システムの機能とパフォーマンス、そしてその国際競争力でなければなりません。これには、現在の法的枠組みに明記されている研究者や高等教育機関の機会を確実に保持することが含まれます。学術的なキャリアパスの形成は、高等教育機関の中核的な仕事なのです。」

 
2022年11月16日


HRK: HRK zur Weiterentwicklung des Wissenschaftszeitvertragsgesetzes


地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
人材育成 研究者の雇用、教員の養成・確保