【ニュース・ドイツ】エクセレンス・ストラテジーの第2フェーズ開始:DFG、エクセレンス・クラスターへの資金提供ラインを発表

 
DFGとWRの共同プレスリリース:2025年5月に資金提供を決定する多段階コンペ/「大学での関心と可能性は非常に大きい」/大幅な予算増で最大70クラスターに資金提供が可能

 
エクセレンス・ストラテジーの第2期の開始が宣言された。ドイツの大学におけるトップレベルの研究をさらに強化することを目的とし連邦政府及び州政府により運営されるこのファンディング・プログラムは、2つの資金提供ラインで構成されている。ドイツ研究財団(Deutsche Forschungsgemeinschaft :DFG)が運営する「エクセレンス・クラスター」は、大学や大学コンソーシアムにおける国際的に優れた研究プロジェクトに最長で7年間×2期の間、資金を提供するものである。ドイツ科学・人文科学評議会(Wissenschaftsrat :WR)が担当する「エクセレンス・ユニバーシティ」では、大学や大学コンソーシアムが、研究において国際的に主導的な地位を確立するために、機関全体として恒久的な資金提供を受けるものである。

 
DFGは、2022年12月15日(木)、エクセレンス・クラスターの第2期ファンディング・ラインを発表した。同日、DFGはこのファンディング・ラインのコンペティションについて情報提供を行うオンラインイベントを開催し、提案書提出資格のある大学の関係者、研究システムや学術政策関係機関の関係者数百人が参加した。

 
「高等教育機関の関心と可能性は非常に大きい」

 
DFGのKatja Becker会長とWRのDorothea Wagner議長は、今回発表された公募にあたり次のように強調している。「エクセレンス・ストラテジーは、以前のエクセレンス・イニシアティブと同様に、成功例です。すでに第一段階において、ドイツの大学におけるトップレベルの研究の国際競争力を顕著に高め、学術と研究の中心地としてのドイツの世界的な認知度を高めています。そして現在、その後継プログラムが非常に優れた支援のもとで始まっています。連邦政府と州政府は、プログラムの拡張及び財政的支援増加により、学術とその助成が重要であるという強いシグナルを発しています。また、高等教育機関の関心と可能性も非常に大きいです。ですから、私たちDFGとWRは、大きな興奮と期待を持って次のコンペティションを楽しみにしています。」

 
大幅な資金増額により、最大70件の助成が可能

 
大幅に拡張された第2期エクセレンス・クラスターは予算も第1期に比べ増額され、11月に開催された連邦政府と州政府の合同学術会議(Gemeinsamen Wissenschaftskonferenz :GWK)の決議により、今後最大70のエクセレンス・クラスターに資金が提供されることとなった。 第1期では57のクラスターが資金提供を受けている。連邦政府及び州政府は、資金提供に充てる資金を年間3億8,500万ユーロから5億3,900万ユーロに増額している。
新たな公募では、大学間や学問分野の垣根を越えた協力関係の構築の可能性が特に重要視されている。そのため、3つ以上の大学が共同でエクセレンス・クラスターを申請することができるようになった。

 
さらに、第1回公募と比較して、審査及び意思決定手続きに多くの時間を割くことができるようになった。このため、エクセレンス・クラスターの審査パネルは、プロポーザルの段階で申請者と交流を持つことも可能となった。

 
エクセレンス・クラスターに採用された場合、大学および大学コンソーシアムは、エクセレンス・ユニバーシティの枠組みにおいて恒久的な機関資金の提供を受けることができる。この資金調達ラインの公募は2024年前半に行われる予定である。資金調達の要件を満たすのは、それぞれ少なくとも2つのエクセレンス・クラスターを持つ大学、またはそれぞれ少なくとも3つのエクセレンス・クラスターを持つ大学コンソーシアムとされている。3つ以上の大学が共同で支援するエクセレンス・クラスターの場合、参加大学は、2024年8月中にエクセレンス・ユニバーシティの枠組みの要件として、最大3つの大学のうちどの大学が共同でエクセレンス・クラスターを獲得するのかをWRに通知しなければならない。

 
手続きについて

 
今回発表された公募は、エクセレンス・クラスターの資金提供ラインにおける複数段階の手続きの開始を意味する。
新規プロジェクトの場合、大学および大学コンソーシアムは、まず2023年2月までに拘束力のない趣意書をDFGに提出し、2023年5月末までに提案書の草案を提出する必要がある。その概要は、国際的な審査パネルにより審査され、主に研究内容や携わる研究者の卓越性、支援体制や推進環境の質が評価される。これに基づき、2024年2月には、あらゆる分野の国際的に著名な専門家39名からなるエクセレンス・ストラテジー専門家パネルが、どの草稿を資金提供プロポーザルに発展させ、既存のエクセレンス・クラスターと競い合うことができるかを決定することになる。

 
既存のエクセレンス・クラスターの場合、関連大学または大学コンソーシアムは、まず2024年1月末までに、継続申請にかかる拘束力のない趣意書を提出することが求められる。継続申請の場合は、草稿提案のフェーズは省略される。新規申請及び、既存クラスターの継続申請はともに2024年8月末までにDFGに提出する必要がある。それらは国際的な審査パネルにより審査された後、2025年5月に専門家パネルが再び審査を行い、エクセレンス・ストラテジーのエクセレンス委員会に対し推薦される。その後、専門家委員会のメンバーおよび学術・研究担当の連邦・州大臣が、資金調達について最終決定を下すこととなる。資金提供は2026年1月1日に開始される。

 
エクセレンス・ユニバーシティの資金提供ラインについては、WRは2024年の第2回新規公募を行う予定であり、2027年1月からは、新たに最大4つの大学または大学コンソーシアムが資金提供を受けることができる。現在資金提供を受けているエクセレンス・ユニバーシティまたはコンソーシアムは、2025年末に評価を受け、その結果は2026年に決定される。新規申請および評価プロセスに関する詳細は、WRが2024年前半の説明会で説明する予定である。

 
2022年12月15日


DFG:Start der zweiten Phase der Exzellenzstrategie: DFG schreibt Förderlinie Exzellenzcluster aus


地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
研究支援 研究助成・ファンディング