【ニュース・ドイツ】ドイツ研究振興協会(DFG)が年間レポートを発表

ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)は、2017年に年間で、約32,500件の研究プロジェクトに対して総額約32億ユーロを助成した。前年と比較して、研究プロジェクトの数は約1,000件、助成額は1億2,000万ユーロ増加した。これらの研究プロジェクトのうち8,000件以上は新規採択されたものであり、合計21億ユーロが助成された。これらの統計は、2018年7月4日にDFG年次総会とあわせてボンで開催された会員総会において提出された年間レポートによるものである。

 

2017年のDFGの活動(注目すべき結果と数値)
DFGは、2017年に合計3万2,481件の研究プロジェクトを助成した。その助成額の総額は31億5,000万ユーロであり、67.9%が連邦政府、31.2%が州政府によるものであった。新規採択の件数が2016年の7,933件から8,303件に増加するとともに、その助成額も2016年の20億5,000万ユーロから21億3,000万ユーロに増加した。

 

2017年において、助成された研究プロジェクトの半数以上である1万6,517件が個別助成プログラムであった。これらの研究プロジェクトに対する助成額の総額は約11億ユーロであり、2016年と比較すると、8,500万ユーロ以上の増加となった。リサーチ・トレーニング・グループなどの共同研究プログラムで助成されているグループは840あり、それらのグループによるプロジェクト件数は約1万3,760件、それに対する助成額は合計で約13億3,000万ユーロであった。エクセレンス・イニシアティブのプロジェクト件数は99件であり、その助成額は4億3,830万ユーロであった。

 

分野別の助成額構成をみると、2017年は生命科学分野が約11億ユーロ(総額の35.2%)と最も多くの助成金を獲得し、それに続いて、自然科学分野の約7億1,400万ユーロ(総額の22.6%)、工学分野の約6億2,400万ユーロ(総額の19.8%)、人文社会科学分野の約4億8,000万ユーロ(総額の15.2%)となった。分野横断的なプロジェクトへの助成額は約2億2,400万ユーロ(総額の7.1%)であった。

 

採択されたプロジェクトの分野は、考古学、免疫学、動物学、農学、植物科学、材料科学、土木工学、生物学、教育学、分子化学、数学、力学、社会人類学、統計物理学、システム工学など多岐にわたる。

 

本レポートは書籍としても刊行され、上記の内容以外の統計に加えて、DFGの助成活動の焦点となる領域、代表的な研究プロジェクトに関する報道記事、研究システムや科学政策に関する問題へのDFGの取り組みについても説明している。
DFGのシュトロシュナイダー(Peter Strohschneider)理事長とツヴォニク(Dorothee Dzwonnek)事務総長は本レポート冒頭で次のように述べている。
「本レポートにおける国際的な焦点は次の2点を考慮している。1点は、グローバルな対話と協力が科学研究に大きな恩恵をもたらすこと、もう1点は、世界のある一定の地域では、研究テーマと方法を自由に選択することがより難しくなっているという事実である。研究テーマと方法の自由選択にとって、政治的・経済的・社会的な要求に依存しない研究資金はますます重要になっている。」

 

2018年7月4日

 

DFG:3,2 Milliarden Euro Fördermittel, 32 500 geförderte Projekte

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政
統計、データ 統計・データ