【ニュース・ドイツ】ドイツ研究振興協会(DFG)が研究者のキャリアパスに関する調査結果を発表

ドイツ研究者国際ネットワーク(GAIN)の年次総会がアメリカのワシントンD.C.で開催され、ドイツ研究振興協会(DFG:Deutsche Forschungsgemeinschaft)による研究者のキャリアパスに関する調査結果が発表された。DFGのツヴォネク事務総長による講演内で、DFGのエミー・ネータープログラムとハイゼンベルクプログラムがキャリア初期の研究者にとって、その後のキャリア形成に効果的であることが調査結果から示された。
たとえば、エミー・ネータープログラムに2007年と2008年の間に採択された若手研究者のうち、63%の研究者が教授職に就いている。一方、採択されなかった研究者で教授職に就いたのは29%である。2001年から2003年に採択された若手研究者にまで遡れば、80%以上が教授職に就いていた。この傾向は、ハイゼンベルクプログラムにおいても同様に確認できる。2007年と2008に採択された者のうち、現在83%が教授職に就いている一方、採択されなかった者で教授職に就いているのは54%である。
一方で、これらの結果は、若手研究者協定等の政治的決定との関連性も考慮しなければならないだろう。若手研究者協定は、1,000のテニュアトラック教授職を設けるための資金を投資している。ツヴォネク氏は「エミー・ネータープログラム等により厳しい競争を勝ち抜き、現在に至るまで優秀な研究活動を行ってきた研究者に対して、プログラム終了後の2度目のテニュアトラック期間を追加することで、研究者としての下積み期間が延長されるということがあってはならない」と述べている。
この調査結果は若手研究者に対する追加プログラムを視野に入れ、1,000人以上の研究者を対象にして行われた包括的な調査の結果である。キャリアの成功という項目のほか、研究機関、分野や国の間における流動性、申請書の提出、DFGの他のプログラムにおける成功といった項目も含まれている。DFGのニューズレターに掲載されている。

 

DFG:Research Careers: Targeted Funding Creates Much Better Opportunities

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
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