【ニュース・ドイツ】カリチェック大臣:新型コロナウイルスの予防についてのより多くの知識 ボンの研究者たちが、健康要因がどのように新型コロナウイルスの感染に影響をもたらすかを研究

 
 連邦研究省大臣アンヤ・カリチェック大臣は本日月曜日、ボンの神経変性疾患ドイツ研究センター(DZNE)で新型コロナウイルスについて情報を伝えた。DZNEは現在、ボン地域の住民研究「ラインラント研究」の参加者に血液検査を求めている。集団検診は、どれぐらいの人が既にコロナウイルスに感染しているかを示すと同時に、どのように異なる健康要因(例:一般的な健康状態やライフスタイル、免疫状態)が新型コロナウイルス感染に影響をもたらすか答えられるそうである。

 
 これに関し、カリチェック連邦研究省大臣は説明する。「私たちは新型コロナウイルス感染症の克服において、数年にわたる専門家の知識を用いることができない。むしろリアルタイムでこの新型コロナウイルス感染症の正しい扱い方を習得しなければならない。そのため、この状態においてドイツ健康研究センターの専門知識を用いることができることを嬉しく思う。これらのセンターが実施するコホート研究は、私たちが病気の影響要因を認識するのに役立つ。それらは経過と治療法の選択肢についての結論を導き出すことを可能にし、とりわけどのように私たちがこの病気を予防することができるかのヒントを与える。「ラインラント研究」やドイツ国内コホート研究のような現存するコホートは、新型コロナに対する闘いにおいて今もとても有益である。利点は明白である。研究参加者は既に募集されており、研究者たちは手元にある知識を利用し、それらを新型コロナウイルス感染に関する特有データと結びつけることができる。それにより彼らは時間を節約し、素早く科学的知見に到達できる。DZNEのプロジェクトは連邦教育研究省(BMBF)によって支援されている。全ての科学者たちとラインラント研究の参加者たちの社会参加に感謝する。このような価値の高い新型コロナに関する研究計画を可能にできるよう、これから数週間や数ヶ月間も引き続き尽力する。」

 
 「新型コロナウイルスの流行を通して社会的生活が鈍化する間、研究は速度を上げた。世界中でウイルス対策に関して研究されている。私たちもDZNEの側から、これらの危機の克服に貢献したいと思う。研究参加者の関心は非常に大きい。結果から、どのようにウイルスが人体に影響を及ぼすのか、そしてなぜ発症する人としない人がいるのかをより良く理解することを期待する。私たちは新型コロナウイルス感染の長期的影響と肉体的そして精神的健康に対するパンデミックの作用も調査する。」とDZNEの科学者で、新型コロナウイルスに関する現在の研究責任者であるモニーク・ブレテラー教授が述べる。

 
 4月24日以降、DZNEの新型コロナウイルスについて現在の研究の一環として既に3000件以上の採血が行われた。集団検診は、感染者数と並んでなぜ罹患者が無症状や軽症、重症と分かれるのかという重要な問題においても役立つ計画である。それに加え血液検査で新型コロナウイルス特異的抗体が検査される。「ラインラント研究」の流れで既に集計された健康やライフスタイル、免疫状態についてのデータと共にこれらの調査結果の比較を通じて、研究者らは病原体について、そしてどのように異なった健康要因が新型コロナウイルス感染に影響をもたらすのかについての新しい認識を期待している。半年後抗体を持つ人の数がその時までにどう発展を続けたかを見つけ出すだめの追跡検査(調査)が予定されている。現在の最初の一連の調査の科学的結果は、7月以前には期待できない。

 
背景:

 
 「ラインラント研究」は2016年から続くボン地域におけるDZNEの住民研究である。この研究で、どのような保護因子や危険因子、健康が成人から高齢にいたるまで影響を及ぼすのかを調査している。特別な関心は、人生の中での脳とその変化に向けられている。原則的に30歳以上の全ての人がこの調査に含めることができるが、参加は招待のみ可能である。

 
 5,000人以上の成人が既に参加し、長期的に3万人までが参加する予定である。DZNEは、予防や治療、患者処置の新しい手がかりを開発するためにアルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などといった神経変性疾患のあらゆる観点を研究している。ベルリン、ボン、ドレスデン、ゲッティンゲン、マグデブルク、ミュンヘン、ロストック/グライフヴァルト、テュービンゲン、ウルム、ヴィッテンの10ヶ所の拠点を通して研究組織内の国内の専門知識を束ねる。DZNEは 大学や大学病院、国内や国際レベルの他の機関と密接に協力している。DZNEはBMBFと所在地の州から支援されている。DZNEはヘルムホルツ協会会員である。
 
2020年5月18日
 


BMBF: Karliczek: Mehr Wissen zum Schutz gegen das Coronavirus

地域 中東欧・ロシア
ドイツ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究