【ニュース・ドイツ】カリチェック大臣:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症に関する10の研究提携が、スタートラインに向かう

 
連邦教育研究省(BMBF)が、新型コロナウイルス感染症の後遺症(Long-COVID)の研究に650万ユーロを用意

 
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)はCOVID-19の長期的な影響に関しての研究を強化している。9月23日、アンヤ・カリチェック連邦教育研究大臣は、BMBFが総額650万ユーロを提供する10の研究プロジェクトを発表した。既存の活動を補完するその取組は、COVID-19の後遺症に関する、利用可能な科学的知識をできるだけ迅速に選び、束ね、さらに発展させることを目的とする。

 
アンヤ・カリチェック連邦教育研究大臣は説明する。

 
パンデミックはまだ終わっていない。ロベルト・コッホ研究所から日々私たちが受け取る数値と統計は、特に若い世代に感染症が広がり続けていることを示している。私は特に、病気の後遺症を心配している。非常に多くのCOVID-19患者は、その重症度に関わらずその後何週間、何か月間も症状に苦しみ続けている。

 
これらの人々への最良な治療方法の提供は、医師やとりわけ科学者にとって依然として課題である。どのように人々を最適な方法で助けることができるか、しっかりした知見を持つことは、私たちにとって急務である。そのため、10の研究プロジェクトが異なる観点から、後遺症(Long-COVID)について調査を開始できることを私は非常に嬉しく思う。

 
これらのプロジェクトのいくつかは、効果的な治療法のスタート地点を見つけるため、実際の症状を引き起こす分子変化を分析している。また、薬物治療や作業療法、個人に適合した運動プログラムのような、期待できる治療のアプローチをすでにテストしているプロジェクトもある。さらに、他のプロジェクトは、将来のサービスをより適したものにするため、子どもや青年期の若者、心理社会学分野またはリハビリテーションなど、特定の患者グループに特有な治療ニーズをより正確に明らかにする
ことを目指している。

 
一つ確かなことは、Long-COVID の頻度、期間および治療についての信頼できる知見は現在も不足しているということである。それゆえ、私たちがドイツにおけるこの分野の保健研究に的を絞った支援を提供することが重要である。議会により開始された財政措置も、この関連で重要な構成要素である。そして、一つ約束できることは、もしこれらのプロジェクトの終了後に更なる研究が必要である場合は、BMBFはこれを念頭に置いておくだろうということだ。」

 
背景:

 
COVID-19 の後遺症を説明する、明確で広く一般に認められた定義はまだ存在しない。SARS-CoV-2 に感染した人の約10%が、数週間や数か月続く後遺症(Long-COVIDやPost -COVID-Syndromeと呼ばれる)の経験を持つ。最も一般的な症状は、極度の疲労、頭痛、集中力低下、息切れ、味覚・嗅覚の感覚喪失である。

 
これらの後遺症状の有効な知見を得ることは、5月31日に発行された「COVID-19後遺症(Long-COVID)に関する研究プロジェクト資金助成ガイドライン」の目的である。

 
資金助成ガイドラインは、第一に、すでに患者やデータ、サンプルへのアクセスを持つ学際的な共同研究を対象としている。特に重要なのは、外来診療、リハビリテーション及び看護、Long-COVIDの専門外来クリニックと開業医による初期診療との間の協力に関する研究プロジェクトである。

 
今回選定されたプロジェクトは、原則2年以内の期間で資金助成を受ける。当初、500万ユーロの資金助成額が計画されていたが、650万ユーロに増額された。

 
2021年9月23日


BMBF: Karliczek: 10 Forschungsverbünde zu den Spätfolgen von Covid-19 gehen an den Start


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