【ニュース・ドイツ】カリチェック大臣:持続可能で気候に適合した復興となるよう洪水被災地を支援したい

 
連邦教育研究省(BMBF)が、ノルトライン・ヴェストファーレン州とラインラント・プファルツ州の洪水被災地における復興の科学的支援に着手

 
2021年7月の洪水の被害を特に受けたノルトライン・ヴェストファーレン州とラインラント・プファルツ州の地域では、インフラストラクチャ、建物、健康への大規模な被害が出ており、大きな課題をもたらしている。この課題解決を支援する科学諮問委員会と、研究プロジェクトのために、連邦教育研究省(BMBF)は、復興が科学的裏付けにより最善かつ先見性のあるものとして成功するよう予算から約500万ユーロを提供する。

 
アンヤ・カリチェック連邦教育研究大臣が説明する。
 
「私たちは被災地の復興を放置しない。復興後のインフラストラクチャが以前より良くなるよう支援するつもりである。被災地に住む人々が再び心地よく安全に暮らすことができるように、復興は持続可能で気候変動に対処できる地域になる機会をもたらす。私たちの目標は、地域が将来の異常気象や気候変動に伴う他の影響に対してより抵抗力を高めることである。

 
そのため、私たちは研究とイノベーションにも焦点を当てている。ユニークな取組として、私たちは 15年の研究の経験をまとめ、これらを洪水被災地の復興に応用している。そのために、気候及び適応研究や都市計画などの分野の一流の専門家による科学諮問委員会を設立した。この委員会は、非常に密接にノルトライン・ヴェストファーレン、ラインラント・プファルツ両州と協力し、浸水地域で被害を受けた自治体や市民、企業にアドバイスを提供する。地域が提起する主要な問題が取り上げられ、復興過程の一部として考慮に入れられることがとても重要である。素早くそして効果的に知識から行動に移すために、私はこれに期待している。」

 
「ラインラント・プファルツ州と特にアール谷での洪水が引き起こした想像を絶する被害を考慮すれば、私たちは人々の居住地を早急にそして同時に洪水に適応して再建するという課題に直面している。最大の団結として、連邦政府と州政府はそのために合計300億ユーロを利用できるようにし、さらに連邦政府は人的支援も約束した。

 
復興の科学的支援においても州政府と連邦政府が手を取り合って協力するのは、被災地にとってとても良いメッセージである。ここでは、あらゆる専門知識が必要とされている。」と、ラインラント・プファルツ州復興委員ニコル・シュタインガス次官が述べた。

 
ノルトライン・ヴェストファーレン州国土、地方政府、建設、男女平等省イナ・シュナレンバッハ大臣は、「ノルトライン・ヴェストファーレン州においていまだかつて匹敵する自然災害はなく、匹敵する復興もなかった。記録的な速さで私たちは被災者に支援を提供し、洪水と豪雨が私たちから奪ったものを再建している。

 
連邦政府の科学的支援による協力によって、私たちは都市やコミュニティが将来の異常気象からより確実に防護されるよう共に取り組んでいる。私たちは復興によって未来を取り戻したい。例えば、新しい建物については、直接洪水対策を義務付けるというのも一つの手である。連邦政府の取組により、私たちにはこの道を共に歩む重要なパートナーを得た。」と述べた。

 
ウルズラ・ハイネン=エッサーノルトライン・ヴェストファーレン州環境大臣が強調する。

 
「現在の最優先事項は、災害に強い再建と未来の展望に違いない。洪水災害からの必要な結果は、特に気候変動による異常気象の増大も視点に入れ、包括的に分析されるべきである。水路管理と洪水対策の問題は、すべての土地利用とグリーンインフラストラクチャーの強化に関する可能性と同様に考慮されなければならない。洪水対策と気候適応への潜在的な力を最大限利用できるように、学際的な再考証と分析が特に重要である。」

 
背景:

 
BMBF のこれらの取組は、連邦政府と州政府が準備する復興資金とは財政的に別立てで実現される。

 
これらの臨時に設置された科学諮問委員会において、様々な機関や分野の研究者が協働している。彼らは、都市および空間計画、水文学や水力工学・管理、建築技術、自然・環境リスク、イノベーション及びシステム研究の分野からの専門的知識を結集している。地理学者で空間プランナーのヨルン・ビルクマンシュトゥットガルト大学教授、水管理の専門家であるホルガー・シュットトゥルンプフ アーヘン工科大学教授がこのプロジェクトのコーディーネーターを務めている。

 
さらにこの取組は、他の BMBF 支援プロジェクトと互いに連携している。例えば、2021年7月の洪水を例に取り、特にリスク予測やリスクコミュニケーション、リスク・災害管理の問題を扱う市民安全保障研究のプロジェクトなどと。得られた研究結果を基に、将来起こりうる危機への対応の改善策を見出し、例えば救助組織、安全保障を担当する組織、さらには市民といった関係者が将来を見据えてそれを実行に移すことを目指している。また、こうした知見は他の地域や他の危機シナリオへも適用可能であると期待されている。

 
さらに、BMBF は「Stadt-Land-Plus」措置の一環として、アーバイラー/ボン/ライン・ジーク地域の持続可能な地方自治体間の土地管理を研究する NEILA プロジェクト及び、BMBF 戦略「持続可能性のための研究(FONA)」の「市と地方の行動を通じた気候レジリエンス」措置及び「RegIKlim」措置からの他のプロジェクトにも資金助成をしている。

 
2021年10月6日


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