研究の自由に関するボン宣言に、EUの全27加盟国が署名
全27か国のEU加盟国と研究担当欧州委員は「研究の自由に関するボン宣言」に署名した。この署名により、欧州研究領域の基本的価値を守る、
さらなる一歩のための共通基盤が形作られた。ボン宣言は、昨年の10月に、ドイツEU理事会議長のもと署名が開始された。
新型コロナウイルスのパンデミックのため、ボンでのEU研究大臣合同会議の場で、すべての加盟国がその宣言に署名できたわけではなかった。
そのため、残りの署名は、その後書面による手続きで行われた。イスラエル、カナダ、メキシコ、ノルウェー、スイスおよびウクライナを含む
国際パートナーもボン宣言を後押しした。アンヤ・カリチェック連邦研究大臣は次のように説明する。
「科学と研究の自由は、私たちの民主主義と繁栄の土台である。私は全EU加盟国がボン宣言に署名したことを喜ばしく思う。これは、ヨーロッパ
にとって研究の自由が非常に重要であることの明確な表明である。私たちは、これを土台とし、この宣言の内容を実行するため具体的な手段を
とっていきたいと思う。
科学と研究の自由は計測されえるものである。そのため、私たちは欧州の研究領域を欧州の高等教育領域にさらに近づけ、適合させたいと思う。
両領域を比較できるモニタリングシステムを発展させることが同意されたが、それらは学問の自由の侵害をすぐにわかるようにする。
将来、これは、さらに明確に学問の自由の違反を特定し、それらから防御できる基礎を作る。それゆえ、私は、将来の大学ランキングの項目に学問の
自由を入れるという科学界からの提案を歓迎し、支持する。卓越した、自由な科学―それは研究者と学生が探しているものである。
特に国境を超える協力では、研究の自由を守ることも、信頼や協力を得るために重要な土台である。それゆえ私は、重要なEU加盟国の国々も
ボン宣言を後押ししてくれて嬉しく思う。」
背景
ボン宣言への署名によって、全EU加盟国と、マリヤ・ガブリエル欧州委員によって代表される欧州委員会は、彼らの研究の自由についての共通
理解を確認している。宣言を経て、彼らは私たちの社会に便益をもたらす多様性・創造性・独立性のある研究展望を支持する。
研究者は彼らの研究課題を明確にし、彼らのメソッドを選択し、出版形式を決めることに自由であるべきである。研究団体の機関自治は、研究の自由
のための重要な土台を形成する。
ドイツとヨーロッパの主要科学団体もボン宣言を歓迎している。ドイツ科学制度のさらなる発展についてのポジションペーパーでは、ドイツ学術審議会が、ボン宣言のアプローチを手助けし、学問の自由の核となる原理が、国際的な取り組みの中で非常に重要な契機になることを提起している。
2021年3月26日
地域 | 中東欧・ロシア |
国 | ドイツ |
取組レベル | 政府レベルでの取組 |
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