【ニュース・ドイツ】『数字でみる教育と研究 2016年』が発表

156のドイツの大学に対し、2016年から2020年にかけて修学環境改善のために総額8億2000万ユーロが助成される予定である。2010年、連邦と州は学生の指導の質向上に向けて大学を支援することを目的に、教育の質向上のための協定を立ち上げた。2016年はこの協定の第二期が開始した。
2008年に始まった女性教授プログラムは、ドイツの大学における女性教授の数を増やし、大学内の男女平等を推進する目的のものであり、500人の女性教授が、このプログラムによって支援された。
月額735ユーロ、これはこの冬学期から改定された連邦奨学金法(Bundesausbildungsförderungsgesetz:BAföG)による最高支給額の数字である。最高支給額および所得控除額は7%向上し、住居手当や児童手当も同様に増額された。また、連邦奨学金の受給資格のある生徒や学生の範囲も大きく広げられた。2015年からすでに連邦は連邦奨学金の資金を全額負担し、州の負担を軽減させている。
1000のテニュア・トラック教授のポストが、若手研究者支援プログラムにより増設される。連邦と州が昨年の春に合意したところのものである。テニュア・トラック制度がドイツで初めて全国規模で導入されることとなり、これによって従来の任命制度と異なる方法で教授になることが可能となった。テニュア・トラック制度は、教授へのキャリアパスを透明化し、同時に優秀な教授の獲得競争においてドイツの学術システムをより魅力的にするだろう。2017年以降、連邦は15年にわたる助成プログラムに対して10億ユーロ拠出する予定である。
最大50のエクセレンス・クラスターが、2019年以降、連邦・州の合意により決議したエクセレンス戦略のもとで助成される。ドイツ研究振興協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)はドイツ学術審議会(Wissenschaftsrat:WR)とともに、学術にのっとった審査および選考を実施する意向であり、2018年9月に、最終採択結果を発表する見込みである。エクセレンス・イニシアティブの後継プログラムを実施することによって、ドイツの大学の最先端研究の国際的競争力をさらに強化することがねらいである。クラスターの数を満たした大学は、次のステップとして、エクセレンス大学の選考へ応募することが可能である。連邦と州は、エクセレンス戦略(“Exstra”)に年間5億3,300万ユーロを拠出する予定で、このうち75%を連邦政府が負担する。

 

2016年12月29日

 

BMBF:Das Bildungs- und Forschungsjahr 2016 in Zahlen

地域 中東欧・ロシア
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