【ニュース・ドイツ】「学術の生命線」:Steinmeier大統領とMerkel首相がベルリンでのフンボルト財団の総会に。800人のフンボルティアーナとその家族が参加

 
今回集まったフンボルト財団(Alexander von Humboldt-Stiftung :AvH)の研究者はブラジルや中国、アメリカ、ナイジェリア、イタリア、メキシコ、ネパール等の出身である。現在フンボルト財団の支援を受けドイツの大学で研究している約80カ国からの800人近い研究者が、昨日からベルリンで開催中のフンボルト財団の年次総会に集まった。
 
昨日Merkel首相が総会の開会を宣し、財団が海外のフンボルティアーナ(フンボルト財団奨学研究員)たちの革新的なネットワーク構想に与えるフンボルト同窓会賞を授与した。メルケル首相は学術の自由と多角的協力の意味を強調し、これに加えて国際協力を通じたフンボルト財団の貢献を主張した。首相は「研究者たちのネットワークは、今日学術の生命線として、能動的な、そして形成されたグローバリゼーションの一部である。世界中の3万人の研究者によるフンボルトネットワークは特に際立っている。フンボルト財団は、学術だけでなく社会と文化の架け橋を築いている。」と述べた。
 
今日フンボルティアーナとその家族は、Steinmeier大統領に連邦大統領官邸であるベルビュー城の庭園に招待された。大統領は外国からの研究者たちに、ドイツとの協力に対し「学術的卓越性は、世界の最も優れた人たちの交流と競争で成り立つ。そしてフンボルトファミリーの一員であるあなた方は、それに重要な寄与をしておられ、それにより、ドイツの学術ネットワーク化にも重要な寄与をして頂いている。」と感謝の言葉を述べた。
 
フンボルト財団Pape会長は、出席した研究者たちに分野と国の境を越えるよう呼びかけ、どれだけ学術と社会一般の人々との間の対話が重要であるかを強調した。「私たち研究者は、何をするか、何をすることができるか、そしてとりわけ何ができないかを説明しなければならない。」また彼はフンボルティアーナたちに「対話し、信頼を強化する新しい道を探そう。私たちが批判的に研究の背景を問われるなら、真摯に耳を傾けよう。」と学術と社会との隔たりをつなぐ架け橋になるよう呼び掛けた。
 
この日の朝、Steinmeier大統領は日本の政治学者野口雅弘氏に、ドイツと日本の文化や社会的相互理解に対して学問上特別な功績に贈られる2019年度フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト賞を授与した。午後には、アドラースホーフで講演や研究室・キャンパスツアーが開催される。
 
フンボルティアーナの大統領訪問は、1955年以来の伝統であるのと同時に年次総会のハイライトでもある。
 
2019年7月27日
 
AvH:„Lebensadern der Wissenschaft“: Bundespräsident Steinmeier und Bundeskanzlerin Merkel beim Treffen der Humboldt-Stiftung
 

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