【ニュース・デンマーク】Horizon 2020からの「ペイオフ」を高める行動計画

 
2018年11月14日、高等教育・科学省は、EUの研究プログラムHorizon 2020とHorizon Europeへのデンマークの参加の増加と、その枠組みにおいてデンマークが先導的な役割を務める割合を高めるための、国の行動計画を発表した。
 
「この計画を受け、我々は具体的なカウンセリング活動や分析を開始している。Horizon 2020から得られる助成を確保し、研究、才能、革新的なアイデアに関して、欧州のより大きな国々とともに欧州における研究の最前線に小国として参加することが計画されている」とTommy Ahlers高等教育・科学大臣は11月の発表の際に語った。
 
2014年から2017年にかけてのデンマークのHorizon 2020への参加は、国民1人当たりに換算した助成額で参加国中2番目に高く、Horizon 2020が助成する1,336の研究プロジェクトに1,816人のデンマーク人が参加し、毎年、合計14億デンマーククローネ(約240億円*)が助成された。
 
19項目にわたる行動計画は、4つの主要な目標で構成されている。

  • デンマークから行われるHorizon 2020への申請の質の大幅な向上
  • より多くのデンマーク人の参加
  • デンマーク人が先導的な役割を務める割合の増加
  • EU内の公的パートナーシップにおけるデンマーク国内の連携強化

同省内のデンマーク科学・高等教育庁(SFU)により実施されるこの計画は、19の新構想と8つの提言を含んでおり、2017年に行われた2つの分析、すなわちHorizon 2020へのデンマークの参加に関する中間評価、EU内の公的パートナーシップへのデンマークの参加に関する対応と分析、これらに加え、2018年上半期に利害関係者との間で行った多数の対話に基づいている。
 
しかし、Jesper Langergaardデンマーク大学協会長は、「欧州の共同研究、共同開発が重要であることに鑑みると、Horizon 2020への参加というデンマークの大学が有する優れた実績は、研究者個人レベルに限らず、研究機関や国、欧州のレベルにおいても極めて有益である。しかし、理論的ではないかもしれないが、高等教育・科学省が言及するHorizon 2020からの助成を増加させることは、デンマークの大学が利用可能な研究資金を増加させることにはならない。現状、Horizon 2020から助成を1ユーロ受ける度に政府からの助成が  1ユーロを失われるため、研究資金は大学へ十分に達しているとは言えない。これは、デンマーク政府が決定した、公共の研究投資を全予算の1%とする目標によるものである」と述べた。
 
*円表記はJSPSストックホルム研究連絡センターが追記
 
2018年11月30日
 
【出典】
University World News:Action plan to increase ‘pay-off’ from Horizon 2020

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