【ニュース・デンマーク】高等教育・科学省が研究力に関する調査結果を発表

 
2018年10月5日、高等教育・科学省が発表したデンマークと35の他のOECD諸国を比較した統計資料であるResearch Barometerの第10版によると、デンマークは研究開発において世界トップレベルの地位を維持している。
 
このレポートは、研究開発への投資と研究の成果及びその影響に重点を置いており、多くの指標と数値は、他のOECD諸国との比較のための豊富な情報を提供している。
 
Agnete Gersing高等教育・科学事務次官は、デンマークが「研究と科学的な出版物とその及ぼす影響の関連性において、まぎれもなくトップレベルにある」ことをTwitterで報じた。
 
Research Barometerの主な調査結果は、以下の通り。

  • デンマークは2016年に、国民総生産(GNP)の3.2%に相当する660億デンマーククローネ(約1兆1,383億円*)を研究に投資しており、これは対GNP研究投資比率において、イスラエル、韓国、スイスに次ぐOECD諸国の4番目に位置付けられている。
  • デンマークは、研究関連の仕事に従事している者が国民1,000人当たり14人とOECD諸国で最も高い割合であり、デンマークに次いでスウェーデン、フィンランド、韓国、アイルランドの順となる。
  • 2013年から2017年におけるデンマークの(引用文献データベースであるScopusにおける)出版物の総数は116,000件、人口100万人当たり20,457件であり、スイス、イスラエル、アイスランドに次ぎ、OECD諸国の中で4番目に高い。
  • デンマークの出版物の19%は世界で最も引用されている出版物10%に含まれており、この指標でデンマークはスイスに次いで2位に位置している。人文科学分野では、デンマークの出版物は1位である。
  • デンマークは、2013年から2017年にかけてビジネス分野の関係者と共同で執筆された科学論文の割合が最も高く、全体の6.6%であった。Novo Nordisk、H Lundbeck、Novozymesは、大学との最大規模の協力関係を持つ企業である。
  • デンマークの科学刊行物の60%が、1人以上の他国の共著者と出版された。2013年から2017年にかけて、最も有名な雑誌に合計3,000の出版物が掲載された(Source Normalized Impact per Paper:SNIPスコアで測定)。Natureには214件、Scienceには140件が掲載されている。イスラエルとスイスだけがインパクトファクターが高かった。主な共著者は、米国、英国、ドイツ、スウェーデン、オランダであった。
  • 2,279人の博士候補者が2016年に学位を授与された。これは、人口100万人当たり399人に相当し、スロベニア、スイス、英国に次いで、デンマークは4位に位置している。

*円表記はJSPSストックホルム研究連絡センターが追記
 
2018年10月13日
 
【出典】
University World News:World-class research position retained – and challenged

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