デンマークの研究・イノベーション政策評議会(DFiR)が発表した新しい報告書は、現状の大学による研究者の採用パターンが、長期的には大学の研究の質を低下させると警鐘を鳴らしている。
昨今のデンマークの大学では、任期付き雇用の研究者の数が急増しており、大学研究者の2人に1人が任期付き雇用となっている。また、研究職のほとんどが公募されておらず、仮に公募されたとしても大学の多くが独自の採用基準を持っており、応募者がほとんどいないのが現状である。
このような状況を改善するために、DFiRは以下の6つの提言を行った。
- キャリアパスのより一層の透明性の確保
- 若手研究者の民間部門への雇用に向けたキャリアカウンセリングの実施
- テニュアトラック制の導入
- 広く公平に国際的な観点から行われる採用の実施
- 終身雇用保証のない任期付き雇用研究職の段階的な削減
- 正規雇用研究者が外部資金による研究を実施するための資金の創設
特に、DFiRは広く公平に国際的な観点から行われる採用の必要性を訴えている。透明性が確保された採用プロセスの中で、広く公募によって研究者を採用することが、デンマークの研究者に新たなキャリアパスを提供するだけでなく、同国の研究の発展に貢献すると期待される。
2019年1月31日
University World News:Academic researchers need a more reliable career path