【ニュース・タイ・中国】タイ人研究者が南極調査チームに参加

タイ人研究者が中国極地研究所(Polar Research Institute of China:PRIC)の調査チームに加わり、南極大陸で行われる2018年11月10日から2019年4月10日にかけての5ヶ月間に渡る天文学・極科学研究プロジェクトに参加する見込みとなった。
このプロジェクトの目的は地球に降り注ぐ宇宙線の影響をよりよく理解することであり、宇宙線の研究を進展させる新しい装置の開発に繋がる。

 

今回の南極で行われる調査に初のタイ人として唯一参加する天文学者Pongpichit Chuanraksasat氏(25歳)は、選ばれたことを光栄に思うと語った。
タイ国立天文学研究所(National Astronomical Research Institute of Thailand:NARIT)で勤務するPongpichit氏は、自身が調査チームの一員として南極に関する新たな知識を生み出す力となること以上に、これを機に学生がこの分野の学問に興味を持つことを期待している。

 

チェンマイ大学(Chiang Mai University)副学長のSampan Singharajwarapan准教授は、2018年初めに同大学がNARITと協力してPRICに研究計画書を提出し、地球上の宇宙線の影響に関する研究を提案したと述べた。この提案は承認され、計画書に記載したように貨物コンテナを研究室として改造し、南極大陸の砕氷船に調査チームメンバーとともに送り込むと同氏は述べた。船は11月10日に上海を出発する予定だ。

 

タイと中国の天文学と極域科学における協力関係は、2013年にタイ・シリントーン王女(Her Royal Highness Princess Maha Chakri Sirindhorn)がこの分野の研究協力を開始したいと表明してから始まった、とNARIT顧問のBoonraksa Soonthorntham准教授は語った。

 

上述の貨物コンテナを改造した研究室には、新たに開発された “Changvan” という中性子検出器が装備されていると彼は述べた。この中性子検出器は、マヒドン大学(Mahidol University)、デラウェア大学(University of Delaware)、ウィスコンシン大学リバーフォールズ校(University of Wisconsin–River Falls)、信州大学などタイ国内外の研究者が参加した以前の共同研究プロジェクトで開発された。このプロジェクトのタイ担当部分に関わったWaraporn Nuntiyakul氏は、今回の南極での調査結果は、過去の類似した先行研究から得られた知見と併せて、さらに深く研究されると述べた。

 

2018年9月20日

 

Bangkok Post:Thai scientist to join polar research team in Antarctica

地域 アジア・オセアニア
タイ、中国
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究