【ニュース・タイ】APEC会議が「BCG経済」を後押し

 

ポストコロナの目標は持続可能な成長

 
第1回 APEC 非公式高級事務レベル会合(SOM)では、新型コロナのパンデミック後、環境的、社会的、経済的に持続可能な成長を強化するために、タイの「バイオ循環型グリーン(BCG)」経済のコンセプトを強固にした。

 
プーケットで3日間にわたり開催された2022年の優先事項に関するAPECシンポジウムには、国際社会から50名以上の代表者が参加した。 

 
2021年12月1日に始まったこの会議は、新型コロナのパンデミックから約22ヵ月を経て初顔合わせの APEC 首脳会議となった。

 
APEC 2022 SOM 議長の Thani Thongphakdi 氏は、開会の挨拶で、タイが議長国の年は、アジア太平洋地域のポストコロナの未来を描くとともに、弾力性があり、包括的で、バランスのとれた、持続可能な長期的成長の促進に焦点を当てていくと述べ、それは、BCG のような経済モデルに基づくアプローチのもとで行われるべきであるとした。

 
「BCG 経済のコンセプトのもと、今回の APEC のテーマは『オープン、コネクト、バランス』となる。私たちは共に、APEC を、あらゆる機会に対してオープンで、あらゆる次元でコネクトする、あらゆる側面でバランスのとれたものにしていきたい。」と Thani Thongphakdi は述べた。

 
2022年の APEC 会議の議長国として、政府は、ポストコロナという背景において、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の枠組みの下、開かれた貿易と投資を促進する計画の達成を望んでいる。

 
バランスという点では、政府は、既存の枠組みを通じて行動を拡大することにより、APEC の持続可能性とグリーン成長のアジェンダを推進し、具体的な結果をもたらすべく、社会全体とシステム全体のアプローチの提唱を約束すると述べた。

 
前高等教育科学研究イノベーション大臣の Suvit Maesincee 氏は、計画達成のためには民間部門が重要な要素であるとし、民間部門は、経済成長のためのエンジンから、バランスのとれた、包括的で持続可能な成長のためのエンジンへと考え方を変えなければならず、科学、技術、イノベーションこそが BCG の鍵であると述べた。

 
国連アジア太平洋経済社会委員会の持続可能な開発担当オフィサーである Riccardo Mesiano 氏 は、新型コロナ発生以前の状況は良くなく、「いくつかの目標では後退」さえしていたのだから、世界社会は、2030年までに世界開発目標を達成するため、行動を加速させるべきだと述べている。

 
一方、Ali Nature 社の共同設立者である Poramin Watanakornbancha 氏は、政府は中小企業に対するグリーン・インセンティブを支援すべきであると述べている。

 
タイ中央銀行金融機関安定化担当副総裁の Ronadol Numnonda氏 は、グリーンファイナンスへの転換には時間が必要であり、特にビッグデータの収集と作成には時間がかかると述べている。

 


Bangkok Post: Apec meet boosts ‘BCG economy’


地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 政府レベルでの取組
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