【ニュース・タイ】4月の発足に向け準備を開始-高等教育省

 
2019年4月後半までに高等教育・研究革新省(Ministry of Higher Education, Research and Innovation)が発足する見込みだ。今週、教育副大臣のUdom Kachintorn氏は、設置法案が既に国民立法議会(National Legislative Assembly)での初の審議に入っており、議会が45日以内に法案を承認するとしたうえで次のように述べた。
「法案の承認後は、60日以内に国王による承認を得ることになる。科学技術省(Ministry of Science and Technology)及び高等教育局(Ohec)は新省の中で対等な役割を担うことになり、高等教育・研究革新省はこの二つの組織が統合されたものとなる。新しい大臣には科学と高等教育の双方を理解し、高等教育と研究そしてイノベーションの発展に尽力することを望む。」
 
一方で、新省の発足には懸念も生じている。社会科学系に強みを持つラチャパット大学群(rajabhat universities)の関係者たちは、政府の今後の社会科学系分野への対応について不安を感じている。
 
自らも研究者でありチュラロンコン大学(Chulalongkorn University)の臨床ウイルス学卓越研究センター(Centre of Excellence in Clinical Virology)のセンター長であるYong Poovorawan教授は、科学技術省と高等教育局の統合は問題を引き起こす可能性があるとフェイスブックに投稿して次のように述べた。
「高等教育・研究革新省の設置は、成果を挙げている教育機関に悪影響を及ぼすだろう。タイにある100を超える大学の大半は研究大学ではないからだ。」
 
同教授は新省の成り行きを注意深く見守るように促したうえで、更に以下の見解も示している。
「科学省(Science Ministry)には、1979年の発足から20年以内に世界的な科学者を輩出するという目標があったにもかかわらず期待外れに終わった。今回の高等教育局と科学技術省の統合により同じような失敗が再度起こる可能性は高いだろう。」
 
2019年1月10日
 
The Nation:Higher-education ministry set to make April debut

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 政府レベルでの取組
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