【ニュース・タイ】研究開発プロジェクトが加速傾向

チュラロンコン大学(Chulalongkorn University)はテクノロジー分野の30の研究開発プロジェクトを年末までに商業化することを目指している。

 

同大学のテクノプレナーシップとイノベーションマネジメントプログラムの責任者Nongnuj Muangsin氏によると「研究開発を行うと共にテクノロジーや革新的方法を取り入れることにより、学生によるベンチャー企業立ち上げを支援するプログラムがチュラロンコン大学で開講される。」とのことだ。

 

このプログラムはデザインシンキング、クリエイティブシンキング、プロダクトイノベーション、アントレプレナーシップ、サービスイノベーションなどの領域を網羅しており、学生はオーグメンテッド・リアリティー(拡張現実/Augmented Reality:AR)、バーチャルリアリティー(仮想現実/Virtual Reality:VR)、ナノテクノロジー(nanotechnology)、3Dプリンティング、データ解析(data analytics)について学ぶ。
ここでは “利用者の立場に立った製品やサービス” を創り出すために、専門家に意見を求める機会や、学んだ技術を利用して “利用者の立場に立った製品やサービス” を実際に創る機会が与えられることに加え、 “利用者の立場に立った製品やサービス” を研究するための研究室が提供される。画期的な製品およびサービスを作り出すために、学生の持つアイデアを活かすことが奨励される。

 

このプログラムでは、テクノロジーとイノベーションに関する100を超える分野の研究開発プロジェクトを実施している。
その一つは、皮が柔らかいフルーツの貯蔵寿命を延ばすためにカプセルにいれられたビーズを利用するFresh2Joyと呼ぶプロジェクトである。このプロジェクトではカビによりフルーツが傷んでしまう問題に取り組んでおり、この取り組みにより皮が軟らかいフルーツの貯蔵可能期間を3日から10日に延ばすことが可能となった。
他にはFresh2Joyパウダーと溶液に関するプロジェクトもある。カットフルーツはすぐに鮮度が落ちて茶色く変色しがちだが、このプロジェクトでの取り組みにより、活性成分を安定化させることに成功し鮮度をより長く保つことができるようになった。

 

大学では近い将来二つのプロジェクトについて米国内で資金調達を行う予定である。
「このプログラムは、意欲的な起業家が提供する製品やサービスをより良いものにしていくためのサポートをすることで、スタートアップの創出と発展に寄与するであろう。彼らは大学でのトレーニングプログラムと研究開発から利益を得、これにより国内外の市場において国際基準に合致した製品やサービスを提供できるでしょう。」とNongnuj氏は述べている。

 

彼女によると、このプログラムにより科学技術省のテックファンドプロジェクト等のエンジェルファンドを含めた学生と投資家間のマッチングファンドのやり取りが促進される。これは大学での新たなビジネスエコシステムを立ち上げることにつながり、更に学生たちが自らの目標を達成するための3,000万バーツの予算が確保されており、製品化の前の試作品で、各プロジェクト当たりおよそ10万バーツの資金を提供する計画もあるという。

 

2018年4月11日

 

The Nation:R&D projects heading for the fast lane

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究
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