【ニュース・タイ】政府は新しいローン法を誇示 しかし、人権侵害の懸念の声もある

より多くの利点(効率性とローン返済率の向上など)が、2017年に実施される新しい学生ローンファンド(Student Loan Fund:SLF)によってもたらされるだろうと、2017年1月31日教育省のCaiyapruek Serirak局長が語った。しかし、前タイ人権委員会弁護士協議会のメンバーであるSurapong Kongchantuk氏は、新しい法は人権を侵害し、労働保護法に違反する可能性があり、適切な法ではないと述べた。

 

Chaiyapruek局長は、1月27日に成立したこの新しい法律は、SLFが借り手の個人情報にアクセスすることを可能にすると述べた。これには返済期限を過ぎた約100万人の債務者が含まれる。
また、債務者は借入契約の一環として控除を認めた同意書に署名しなければならないため、税務署は返済のために債務者の給与の一部を雇用者に控除するよう雇用主に要請することも可能になる。新しい法律に沿って、SLFの下で教育機関を監督し、評価するためのグループを立ち上げると、彼は言った。

 

教育省の職員を含む教育事務局長を委員長とするグループは、SLFにも勧告できると、Chaiyapruek局長は述べた。それは、教育機関の基準を明確にする上で、省庁に大きな役割を与えるだけでなく、研究の選択と債務者の支援にもつながる。
しかし、Surapong氏は、「労働者が賃金を全額受け取る前に合意した額に応じて、控除を提示することは、労働法に違反していると述べた。しかし、労働者は新しい法律のために[これをやめさせる]雇用主を訴えることはできないだろう。Surapong氏によると、貸付金はすでに民法に裏付けされており、これにより貸し手は債務者を訴えることができたと言う。
しかし、一般人は、会社や組織がSLFに借金を払っている従業員の給与から、借金返済のために学生ローンから金額を差し引くことを許可するという新しい法律の考え方を認めているようだ。

 

SLFから借り入れをしているバンコクのグラフィックデザイナー、Kriangsak Tangjerdjarad氏(40歳)は、人々の給与から控除される債務が、金利の低い旧SLF金利に一致すると見込んで、新法に同意したと語った。「SLFの年間返済率は、初年度は1,000バーツをわずかに上回っている程度で、それに応じて増えても人々の生活にはさほど影響しない」と述べた。そして、これは、借金の返済を拒否したり、利息の支払いを無視したりした多くの人が直面している重い罰金やブラックリストに載せられるという罰よりも優れている、と彼は付け加えた。Kriangsak氏は彼が大学3年生の時からSLFから借り入れ、借金は6万バーツに達したと言う。卒業後、彼は借金を返済し始め、初年度は1,000バーツに過ぎなかった。彼は今年全額返済する予定だ。
「この法律は、低所得世帯出身の若い世代が教育を受ける機会を得るための資金を返済するものであると私は思っている。それはまた、お金を返済するという借り手の責任であり、だからこそ彼らの給与から控除するのである。」と述べた。

 

2017年2月1日

 

The Nation:Govt touts benefits of new loan law But concerns voiced on whether it breaches people’s rights

地域 アジア・オセアニア
タイ
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