【ニュース・タイ】技術変革促進に向けた産業界の至急の課題

 
KPMG Internationalの新たな研究によれば、大多数の企業が現在の方向性を続けるならば失敗することになり第四次産業革命(Industry4.0 もしくはi4.0)は抜本的な変革が求められる。
 
2019年1月3日、KPMGは企業に対し、市場の既存の常識を覆す新規参入者に対する競争力が弱いと警告した。同時に今日の市場における製造業の現実に対応するために、CEOにトップダウン戦略と大規模な改革の実施を求めている。
 
企業のほとんどは今日の革新的な i4.0の道具と技術の中で全体的に成長していて、内部完結している-つまり私たちのi4.0の成熟の最も高度なレベルに達していない。
 
ただし、多くのの企業はコスト削減のため投資を行っており、依然としてi4.0の成熟の始まりの段階にある。デジタル革命は効率的というだけにとどまらず、新しいビジネスモデルを構築できない製造業者は近い将来生存の危機に立たされると、研究は結んでいる。
 
“A Reality Check for Today’s C-suite on Industry 4.0 – Experimentation is Ending”というタイトルの新しい研究成果によると、KPMGは多くの製造業のトップレベルに安全性に関して誤った認識があることを突き止めた。組織は施設の変革から、変革に向けたボトムアップアプローチをする単一プロジェクト、ビッグデータの世代間統合、費用対効果を高めることをi4.0 への転換の証拠として挙げた。
 
企業は彼らのボトムラインを短期的に上げることを期待している。
 
しかし製造業界の恐るべきスピード変革にあわせて企業が彼らの方針を修正する必要が生じた場合、各企業のイニシアチブにたよることは、より長い期間で見ればコストが増え利益が減ることをKMPGは発見した。
 
タイのKPMGの産業マーケット部門の部門長である、Tidarat Chimluang氏は、この国の多くの企業は変化の速さと、i4.0に対応していくための必要な技術適応をするためにもがいており、この傾向は農業や食品生産産業のようなタイの主要産業において特に強いとしている。
 
タイ商工会議所大学(The University of the Thai chamber of Commerce)によってなされた研究では、産業界の3%以下の小企業と5%以下の中企業が、デジタル化社会に注目するタイランド4.0時代の一角を担っている。
 
政府のタイランド4.0政策が産業界を良い方向に後押しすることを願っている。重要なのは企業が将来に向けた準備が必要であることを悟らなければならないということだ。
 
彼らの会社に最も適した大局的な戦略を描き、変化に俊敏に対応して行けるように会社を変革しなければならない。
 
KPMGは、競争に勝ち、既存の常識を覆すため、各企業は将来彼らにどのようなニーズがあるか明確にして行かなければならない、と示唆している。
 
Tidarat氏は以下のように述べた。

「そのことを念頭に置いて、彼らは詳細なプランに基づく戦略を練りあげ、全体的な変革をサポートする文化を作るべきである。そのような基盤を持つ組織は私達が工業生産業界で今日目にする変革を主導している。

生産者が2020年までにi4.0の流れにうまく乗ることが出来なければ、新規参入者と互角の戦いをしていくのは困難になるだろう。

彼らは、この取り組みを終わらせる必要はない、しかし彼らは戦略的なアプローチ、総合的な計画の立案、そして変革を促す文化形成など適切な基盤を持たねばならない。」
 
2019年1月4日
 
The NATION:Urgent need for industry to speed up technology change, KPMG study finds

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
レポート 海外センター