【ニュース・タイ】大学卒業生と労働市場の需要のミスマッチ

タイ高等教育局(Office of Higher Education Comission:OHEC)は第4回学生教育会議を開催し大学卒業生と労働市場需要のミスマッチについて議論を行った。各参加者のコメントは以下のとおり。
タイ高等教育局 Piniti Ratanakul副事務局長
2015年度のASEAN経済共同体発足により、今後タイ人学生は、多文化社会の中で働くことになり、ASEAN域内の6億人と労働市場で競うことになる。これに備え、大学は学生が国際社会の中で勝ち抜くためにリーダーシップ能力開発に力を入れるべきである。

DC Consultants and Marketing Communications Danai Chanchaochai CEO
タイの大学は労働市場の需要の50%以上の過剰な労働力を生み出している。今年は40万人以上の新卒者が就職できなかった。主な原因は、学生がタイ国内の労働需要を考慮せずに、人気に左右されて学部を選ぶためだ。また、大学を卒業しても学生は社会で求められるスキルを習得できていない。大学は、世界の変化に適応し、リーダーシップを持った人材を育成しなければならない。これは、必ずしも管理職につかねばならないということではなく、リーダーシップ能力を身に着けることが大切だということだ。社会に対する責任感を高めるために市民教育に力を入れるべきである。

シーナカリンウィロート大学
Chalermchai Boonyaleepun学長
国の将来は国民の質にかかっており、大学は国民を啓蒙していく役割を担っている。質の高い国民とは、前向きな姿勢や高い教養とスキルを身につけている者である。大学は、暗記学習を減らし、ピア・ラーニングや地域に根差した学習テーマ、分野横断的な学習を促進し、学生を質の高い国民として育成するべきだ。

CP Retailink Thailand Co Ltd
Naris Thamkuekool副社長
政治家は急速すぎる教育改革がネガティブな影響を及ぼすことを見落としてはならない。例えば、シンガポールや韓国は教育システムが優れているが、自殺率が高く過度なストレスが社会問題となっている。

(2014年8月29日 Bangkok Post紙)

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 学生の就職