【ニュース・タイ】大学ランキング上昇のためのアジアの大学の様々な戦略

国連教育科学文化機関(UNESCO)統計局より、アジアの大学の入学需要の拡大に伴う課程や研究の質の向上の取り組みをまとめた報告書、””Higher Education in Asia: Expanding Out, Expanding Up””が5月に発行された。その要旨は以下のとおり。

需要の拡大に伴う大学の変化
アジア全体で、各国政府は、キャンパスの建設や、教員の雇用、私立大学の設立を支援し、高
等教育制度は拡大している。各大学も、新たな大学院プログラムを導入し、より質の高い教員を輩出し、高等教育の需要拡大に答えようとしている。各国は、大学院プログラムの設立に投資を増加させているが、これは、学部レベルの教育予算の減少につながることが懸念される。当報告書は、マレーシアとタイの高等教育政策を分析し、両国が、自治の拡大と学部レベル教育の質の保証を、どのようにバランスをとっているかに焦点を当てている。両国の政府は、過去10年間、大学院教育プログラムの拡大に取り組んできた。

マレーシア政府は、一人当たりの学生への予算が、タイのおよそ2倍である。しかし、タイの大学のほうが、マレーシアの大学よりも、より幅広い資金源を持ち、大学運営の独立も確保されている。アジア全体で、各国は、研究開発の基盤強化にも取り組んできた。研究開発の力の入れ方は各国で大きく異なっている。(研究開発費は、)韓国では、(GDPの)4.0%、中国では1.8%、マレーシアでは1.1%、インドでは0.8%、タイでは0.25%である。当報告書は、各国政府の応用研究と基礎研究への投資額の比較も掲載している。

研究予算
例えば、タイでは38%の研究開発予算が応用研究に投資されているのに対して、14%が基礎研究に投資されている。残りの48%の予算は、実験開発に投資されている。
これとは対照的に、中国は、78%の研究開発予算を実験開発に、17%を応用科学に、5%を基礎研究に投資している。ユネスコバンコクのGwang-jo Kim所長は、本報告書は、各国政府が、多くの人がアクセスでき、社会や国の需要に答えることのできる質の高い大学を作っていくための指針となるだろうと述べた。

「Higher Education in Asia: Expanding Out, Expanding Up」は、以下のURL1「国連教育科学文化機関(UNESCO)統計研究所」のホームページよりダウンロード可能。

(2014年5月14日 Nation紙)

URL1: http://www.uis.unesco.org/Education/Pages/higher-education-asia-report.aspx

地域 アジア・オセアニア
タイ、その他の国・地域
取組レベル 国際機関レベルの取組、大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政、政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究
統計、データ 統計・データ