【ニュース・タイ】大学の医師不足解消への努力

 
キングモンクット工科大学ラートクラバン校(KMITL)はタイの高齢化社会の進行に伴う医師の需要増に対応するため、新たに医学部を設立した。
 
医学部は2018年3月5日から26日の間、新入生(定員50名)の応募を受け付ける。6年間の学士課程プログラムでは、全ての講義が英語で行われ、シリントーン病院とラートクラバン病院が学生の外来実習先となる予定である。
 
KMITLのSuchatvee Suwansawat学長は次のように述べた。「タイの総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は2017年に11%に達し、2040年までに25%に達すると見込まれています。そのため、医師や医療の専門家の需要はますます高まっていく見通しです。現在タイでは、医師の数が国民2,000人あたり1人となっていますが、ヨーロッパでは800人あたり1人、日本では600人に1人です」。
 
この問題に対処するためには、タイ国内の医師の数を国民1,200人に1人する必要があると考えられている。これを実現するためには、毎年3,452人の新たな医師を育成する必要があるが、現状では約3,000人に留まっている。
 
Suchatvee学長はこうも述べた。「今後のタイでの患者数増加への対応という意味合いもあり、この医学部を設立しました。KMITLの医学部生は、工学系・建築系といった医学とは関わりのないようにみえる科目も受講する必要があります。それは、開発者や研究者にもなりうる医師を育成することを大学の方針としているためです。タイでは医師や医療スタッフが不足しており、より多くの人材が必要とされていることは事実ですが、個人的には医療機器の開発者がそれ以上に不足していると考えています。タイでは人工臓器やX線発生装置、医療用スキャナーといった先進医療機器を輸入するために、毎年1,000億バーツも費やしているのです」。
 
2018年3月1日
 
Bangkok Post:Mekong nations agree to share information
 

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
社会との交流、産学官連携 社会貢献
レポート 海外センター