【ニュース・タイ】大学にもっと多くの研究開発資金を投入

「今年思わしくない結果に終わった世界大学ランキングでの順位を改善するため、大学での研究、技術開発とイノベーション支援により多くの資金が割り当てられる予定である」とDapong Ratanasuwan教育大臣は述べた。

タイ大学学長会議(Council of University President of Thailand:CUPT)での会談の後、Dapong大臣は次のように述べた。

「教育省は政府当局に、タイの大学を世界レベルの大学に押し上げるプロジェクト支援のため、研究開発予算を配分するよう求める計画である。政府当局は合計400-500億バーツ程度の研究開発予算があり、そのうちどの程度教育省が獲得できるかについて、Prayut Chan-o-cha首相と今後相談する」

先月発表された最新のQS世界大学ランキングにおいて、タイのトップ大学は前回より順位を落とした。タイの大学で首位のチュラロンコーン大学(CU)は昨年より10位下がり、253位であった。マヒドン大学は昨年の257位から295位に下がり、チェンマイ大学は501位-550位圏から551位-600位圏に下がった。

先週発表になったタイムズ高等教育機関世界ランキングでは、マヒドン大学はタイの大学中トップで501位-600位圏にランク入りし、一方他のタイの大学は601位-800位圏であった。タイムズのランキングではランキングの低い大学の順位付けはなく、グループ分けされる。

Dapong大臣は次のように述べた。

「世界ランキングにおけるタイの大学の地位の低下は学術研究論文発表が少ないことを反映している、と教育省とCUPTは考えている。外国の競争相手と比較して、タイの大学は研究者数と論文発行数が少なく、特に英語での論文発行数の少なさが顕著である。このため、もし世界ランキングで上位を目指すのであれば、研究実績を改善するためもっと投資が必要である」

CUPTのPrasart Suebka議長は次のように述べた。

「タイの高等教育機関を世界レベルにするためには、政府はR&Dへの投資をGDPの2%に、また研究開発人材の人口比を8:10,000から25:10,000に引き上げる必要がある。政府はまた、インセンティブとして税控除を行うことにより、より多くの私営企業と大学による研究室や研究センターの共同立ち上げを奨励するべきである。

もしタイが大学の国際競争力を強化することができなければ、質の高い人材を有していないと認識され、そのことは発展の他の側面に影響する。

タイ高等教育局(Office of Higher Education Comission:OHEC)のSuphat Champatong副事務局長は、タイのトップ6大学が大学ランキングでもっとよい順位を獲得し、QSランキングで世界トップ100大学内に入れるよう、10年計画を策定しなければならない」と述べた。

 

(2015年10月9日 Bangkok Post紙)

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