【ニュース・タイ】大学が災害管理に役立つ技術ツールを発表

タマサート大学(Thammasat University)の理工学部は、近年発生している北部・東北部の洪水等の自然災害に非常に役立つ2つの技術を公表した。

 

ソーシャルメディアを利用して、被災者をリアルタイムで追跡して見つけることができるウェブサイト及び、古代遺跡等の災害被害を3Dによる検査が実施可能な無人機(ドローン)を教員と学生が開発した。両方ともすでに試験で成功を収めており、国や民間からのさらなる資金援助があれば、防災に役立つ可能性があると学部長であるPakorn Sermsuk准教授が、同大学のRangsitキャンパスで会見を行った。

 

コンピュータ科学部のWanida Putthividhaya講師コメント:
この技術は、地理情報システム(geographic information system:GIS)とクラウドソーシングサービスの技術を用いており(GIS with Crowdsourcing as a Service:GCaaS)、4年生の学生4人が、災害被災者に関するデータを管理し、影響を受けた地域の地図をコンピュータ画面やスマートフォンに表示するために開発したものである。
このウェブサイトは、ツイッター上で助けを求める人々の声等、さまざまな情報源から情報を取り込むことが可能である。ソーシャルメディアにアクセスできる人であれば、災害状況を説明するハッシュタグとともに、自分がいる位置情報を提供することによって、援助を要請することができる。
救助隊は、被災状況や自分たちの任務について、常に更新されるウェブサイトを元に、リアルタイムで情報を入手することができるが、このウェブサイトシステムを全国で適用するためには、地理情報を提供するという点で、国の機関の協力が必要である。

 

コンピュータ科学部のもう一人の講師であるPongsagon Vichitvejpaisal氏コメント:
このドローンは、古代遺跡と、他の重要な建物を高解像度の3D形式で撮影するプロジェクトと併用することができ、災害後に撮影された写真は、元の写真と比較され、土地の原状回復や復元の助けになる。

 

環境科学部のRoj Khunanake講師コメント:
近年経験した北部や東北部での洪水による被害状況は、現時点ではまだはっきりとは判明していないが、建物の浸水が長引いてしまうと、侵食、地盤沈下、木の膨張が引き起こされる可能性がある。古代遺跡の復元に際して、必ず守らないといけない3つの原則として、古代遺跡の信憑性、(自然や文化的側面での)アイデンティティ、および周囲の環境における完全性を保存しなければならない。

 

2017年8月15日

 

The Nation:University unveils set of tech tools to help manage disasters

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
社会との交流、産学官連携 社会貢献