【ニュース・タイ】内閣府 370億バーツの科学イノベーション計画を支持

 
タイ政府は、国の競争力を高め、少子高齢化や環境問題等に対応するため、今後8年間で野心的な科学研究とイノベーション開発の枠組みに370億バーツを投入する。
 
政府副報道官のRatchada Thanadirek氏は、来年から始まるこの取り組みに内閣が2020年度予算から資金を拠出することを決定した、と語った。
 
「我々には最新の研究開発により経済的社会的問題を解決するための多くの事業とそれらの結果を評価するための明確な指標がある。例えば国際経営開発研究所(International Institute for Management Development:IMD)の世界競争力ランキング(World Competitiveness Ranking)におけるタイの順位を上げることも主要な課題の一つである。」とRatchada Thanadirek氏は述べた。
 
タイは2018年の同ランキングで30位にランクインし、2017年の27位からランクを落としたが、第12次社会開発計画(2018-2022年)では、25位にランクインしなければならない。
 
政府はまた、人工技術により少なくとも5,000の中小企業の生産性を高め、1,000の新しいローカルスタートアップが「生き残る」ことを計画しているとRatchada Thanadirek氏は述べた。
 
また政府は、2021年までに研究者の数を人口1万人あたり25人に増やすことも目指している。
 
高等教育科学研究イノベーション省(Ministry of Higher Education, Science, Research and Innovation:MHESI)のSuvit Maesincee大臣は370億バーツのうち2億バーツを量子技術(原子レベルで小さな粒子を扱う物理学分野)の開発に投入すると述べた。
 
レーザーや増幅器技術は量子科学の知識に基づいており、この技術はまたコンピューティング、センシングおよび医療イメージングなどへの幅広い応用が可能である。
 
Suvit Maesincee大臣は9月中にタイの量子技術の専門家42人がタイ国立量子技術研究所を設立するためのブレインストーミングを行う予定であると述べた。
 
Ratchada Thanadirek氏は、社会的な側面では、政府はすべての年齢とあらゆる状況にある人々のために、ユニバーサルデザインに基づいたイノベーションの開発を支援すると語った。
 
今後2年間でタイは5人に1人が60歳以上という高齢化社会を迎え、多くの人々が自分のライフスタイルに合った環境を必要とするようになるであろう。
 
環境分野においては、政府は専門家にゴミを減らし、PM2.5と戦う方法を開発するよう奨励する、とRatchada Thanadirek氏は付け加えた。
 
「我々は有害なレベルの粉塵によって汚染される日数を減らしたい。」
 
2019年9月1日
 
Bangkok Post:Cabinet backs 37bn baht science, innovation scheme
 

地域 アジア・オセアニア
タイ
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