マヒドン大学シリラート病院はエボラ出血熱の治療抗体開発に成功したと発表した。この抗体は一年以内に市場で流通が可能で、アフリカで何千人もの命を奪ったエボラ出血熱の治療に役立つことが期待されている。
研究チームを率いたWanpen Chaicumpa教授は、この研究成果をWHOに報告し今後の研究開発を加速させるために支援を得たいと述べた。今後数ヶ月間でアメリカのフロリダ大学と連携し、民間の実験施設で猿と人間を対象にこの抗体の臨床試験が行われる予定である。
Wanpen教授は、この抗体はこれまでのものとは異なる特徴をもっていると説明した。非常に小さい抗体なので、感染した細胞に入り感染したウイルスたんぱく質に働きかけ感染した細胞内でのウイルス増殖を止めることができる。大学はすでにこの開発の特許を取得している。
シリラート大学病院の副研究院長Ruengpung Sutthent教授は、抗体治療開発をさらに進めるためにはより設備の整った研究施設が必要だと述べ、政府から資金面での支援を希望している。さらに研究を進めるためには10億バーツの予算が必要となる。
この抗体の動物への臨床実験について、シリラート病院はマヒドン大学が一部を所有するバイオ製薬会社Siam Bioscienceと連携する予定である。同社はバイオ製薬を量産する設備を備えている。
(2014年10月3日 Nation紙)