【ニュース・タイ】パンデミックにより研究開発費が減少

 
2027年までにGDPの2%にまで支出を増やすべく、NXPOチーフが政府の取り組みを後押し

 
国立高等教育科学研究・イノベーション政策審議会事務局(NXPO)によれば、タイの研究 開発費はパンデミックの影響で制限され、2022年まで
GDPの1%以下にとどまると予測されている。

 
NXPO の Kitipong Promwong 会長によれば、2020年度の研究開発費は、GDPの0.91%と推定され、2021年は0.94%、2022年は0.96%に達する
と予想されているという。

 
Kitipong 氏は、NXPO とタイ国立研究評議会が共同で行った調査を引用し、2019年のタイの 研究開発にはGDPの1.14%にあたる約1,930億バーツ
が費やされ、前年比5.9%増となったと述べた。

 
総額の77%にあたる1,490億バーツが民間セクターによるもので、残りの23%は政府セクターが支出している。

 
同氏によれば、民間セクターの研究開発費は経済的な課題が中心であるのに対し、政府セクターの研究開発費は量子技術、宇宙科学技術、高エネルギー物理学、
分子生物学の4つの主要分野が中心
であるという。

 
2019年の研究開発費は、食品産業が323億バーツと最も多く、次いで石油・石油化学産業が119億バーツ、金融・保険サービスが115億バーツ
であった。

 
2019年、タイには166,788人の常勤研究者がおり、 人口1万人あたり25人の研究者という割合で あったが、常勤研究者のうち、69%にあたる
115,543人は民間セクターで働いていた。

 
Kitipong 氏は、2027年には人口1万人あたりの研究者数が40人になることを目標としていると語る。

 
パンデミックの影響でほとんどの民間セクターが研究開発費を削減したため、2020年から22年にかけて研究開発費の総額はGDPの1%以下に
抑えられていくだろうが、研究開発費は将来的に回復が予想され、政府の刺激策がなければ、研究開発費が、計画通り2027年にGDPの2%に達する
ことはなく、1.46%になることが予測
されるとKitipong 氏は述べた。

 
もしパンデミックが抑えられれば、研究開発投資にとっては好都合である。市場競争が激化すれば、企業はより多くの研究開発費を投じるように
なり、2022年から2023年にかけ、研究開発費を増加させるべく、複数の国の研究基金、税制優遇措置、複雑な規制の解除など、さまざまな
施策が用意されているという。

 
政府は、民間セクターの研究開発投資を支援する役割を果たすことができ、 投資に適したエコシステムの構築、マッチングファンドの提供、
インフラ支援、複雑な規制の緩和などが例として挙げられると Kitipong 氏は語る。

 
「タイの研究開発費は、民間セクターの強力な能力のおかげで、2027年にはGDPの2%に達すると確信している。タイの大学には学術的な強み
があり、バイオベースの食品は他国の製品と比べても遜色ない。」

 


Bangkok Post Public Company Limited : R&D outlays limited by pandemic


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タイ
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