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チュラロンコン大学が開発した新型コロナワクチンのヒトへの臨床試験が2021年6月14日に開始され、72人のボランティアが、医師、看護師、
研究者の監督の下、接種を受けた。
チュラロンコン大学のKiat Ruxrungtham 教授は、「ChulaCov19」は、この技術を発明した世界的に著名な科学者であるペンシルバニア大学の
Drew Weissman 教授と共同で、国内で開発された mRNA ワクチンであると述べている。
このワクチンは、ウイルス全体ではなく、コロナウイルスの遺伝物質の一部から作られている。
体は、この微小な遺伝物質の一部を使ってスパイクタンパク質を作り、感染時に免疫系を刺激しウイルスと戦わせる。体内でタンパク質を作る
きっかけを作った後、mRNA ワクチンは破壊され、数日後には体外に排出されると Kiat 教授は言う。
ヒトへの臨床試験の第2段階では、150~300人のボランティアを対象に、2021年8月頃にこのワクチンを投与し「ChulaCov19」に対する免疫反応
を測定する予定である。ヒトへの臨床試験は、サルとラットへの試験が成功したことをうけて開始されるものである。
新型コロナを発症するよう改変されたラットに、「ChulaCov19」を3週間間隔で2回投与したところ、ワクチンを投与したラットは、感染を防ぐ
強い免疫反応を示し、鼻や肺のウイルス量が少なくとも1,000万分の1に減少した。
毒性試験でも、ワクチンが安全であることが確認されている。ワクチンを投与していないラットには、3〜5日で新型コロナの症状があらわれ、
血管、鼻、肺で高い感染力を示した。
もう一つの利点は「ChulaCov19」が2~8℃の冷蔵庫で3ヶ月まで、室温(25℃)で2週間まで保存できることである。これにより、他のメーカーの
mRNA ワクチンよりも保存が容易になる。
地域 | アジア・オセアニア |
国 | タイ |
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