性別適合手術
Thanapob 医師は「トランスジェンダーには多様なニーズがある。例えば、ほとんどのトランスジェンダー男性は、卵巣や子宮が自分の体に合わない
のでなくしてほしいと思っているが、中にはあまり気にしない人もいる。
また、妊娠や膣内セックスをしたいので、子宮摘出手術はしないという人もいるだろう。一方で、陰茎再建手術を受ける人は、世界のトランス
ジェンダー男性全体の3~4%に過ぎない。つまり、人それぞれなのである。」と語る。
ジェンダーヘルスクリニックでは、トランスジェンダー手術を行うクリニックと連携し、トランスジェンダー男性とトランスジェンダー女性の両方
に性別適合手術のサービスを提供 している。手術方法は3種類ある。
- 乳房縮小と乳房拡大からなるトップ手術
- 子宮摘出、卵巣・卵管の摘出、陰茎・膣の再建、去勢などのボトム手術
- ヒップアップ、咽喉の整形、あごの整形、顔の変形など他の手術
患者は、各手術を受ける前に、タイの基準に沿って細部まで慎重に検討される。まず、精神 鑑定を受け、患者が本当に手術を受けたいと思って
いること、それが単なる気まぐれではないことを精神科医に認めてもらわなければならない。精神科医のお墨付きがなければ、手術をすることは
できない。
これはクリニックでは禁止されている。また、トランスジェンダーのライフスタイルを1年以上続けていることが求められる場合もある。麻酔薬に
アレルギーがある人や、手術を受けられない人もサービスを受けることはできない。
性転換手術前の精神鑑定の重要性
性転換手術を受けるためには、誰もが必ず精神科医の診断を受けなければならない。多くの人は、精神科を受診することは、精神障害を意味する
と誤解しているが、それは事実とは異なる。
精神科医は、クライアントが自分の意志に忠実であり、あとで後悔しないかどうかを、あるいは、その意思が、トランスジェンダーになりたい
という願望の妄想であったり、人格的な問題を抱えていたり、女装や男装だけで性的に満足していたりする、統合失調症の患者に起こりうる混乱
によって引き起こされていないかどうかを判断するために存在している。
「同性のパートナーを愛し、人生を共に過ごしたいと願う人々には何の問題もない。現在の医学の教科書は、トランスジェンダーをメンタルヘルス
の問題リストから外し、セクシュアル ヘルスのカテゴリーに分類しようとしている。なぜなら、他の性別として生きたいと思うことは、精神的な機能障害
ではないからである。」と、准教授 Krasian 医師は述べる。
性転換手術は何歳から受けられるか?
性転換手術を受けるのに適した年齢は、明確には決まっていない。10代でトランスジェンダーになりたい人もいれば、40代でカミングアウト
する人もいるため、主にサービスを受ける側のニーズによる。18~20歳の人のみ、必ず両親または法的保護者の同意を得なければならない。
ジェンダーヘルスクリニックでは、タイ医療審議会の「B.E.2552(2009年)性別適合治療の 基準に関する医療従事者の倫理規定」に基づき、
主に成人の患者を対象としている。
18歳未満の青年にはケースバイケースで治療が行われる。クリニックには、統合思春期ヘルスクリニックの内分泌学と児童・思春期精神科の
専門医がいる。これらはすべて、サービスを受ける人がよりよい生活の質と精神的な健康を得るためのものである。
ジェンダーヘルスクリニックでは、他にも、更年期障害、膣乾燥症、性ホルモンに関連する 内分泌学的障害などの性に関する健康問題や、
それに伴う、性欲減退、性交時痛などセックスの不満についてのカウンセリングも行っている。
ジェンダーヘルスクリニックは、毎週月曜日13:00~15:30に開院している。専門家による診察のご予約は、Tel 0-2256-5286、0-2256-5298、
またはFacebookページ: 「Gender Health Clinic Chulalongkorn Hospital」 をフォローしていただきたい。
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