【ニュース・タイ】チュラロンコン大学、デジタル時代に合わせてカリキュラムを見直し

 
チュラロンコン大学は、コミュニケーションアート学部のカリキュラム見直しを行い、社会の新たなトレンドへ対応することでさらに多くの学生を引きつけたい意向だ。
 
新学期は255の科目が開講される予定だ、とコミュニケーションアート学部長のMs. Parichart Sthapitanondaは述べた。また、7つのコミュニケーションアート学士課程専攻のうち4つはデジタルプラットフォームにフォーカスする内容へ見直しを行い、近年のメディア産業の変化に適応させていくということである。
 
Ms. Parichartは次のように述べた。「既存の『journalism and information』という名称の専攻には、新たに『new media』という言葉が付け加えられ、『broadcasting』は『media design and production』、『advertising』は『advertising and brand communication』にそれぞれ名称変更されます。『speech communication』には『rhetoric(修辞学)』という言葉が付け加わる予定です」。
 
その他、「public relations」、「motion pictures and still photography」、「performing arts」の3つの専攻が名称変更となる見込みである。
 
「デジタル技術は近年明らかにメディア産業の形を変えました。大学はその変化に適応し、どのような講義を行うかといった根本的な部分を変化させ、コミュニケーション業界の新たな需要に答えられる学生を育成する必要があります」とMs. Parichartは述べている。さらに、「講義室に変革を起こすことができない大学は、時代の変化に取り残されます」と付け加えた。
 
Ms. Parichartの考えでは今後「data journalism」、「social media for journalism」、「design for digital games」、「the role of rhetoric in new media」といった新たな科目が導入される予定で、それは学生のデジタル・リテラシーが雇用側に大変重宝されるためである。
 
さらに、学生は知見を広げるために別の学部が開講している科目も受講することができるようになる見込みである。学生の実習期間も3ヶ月から4ヶ月に拡大が予定され、学生はより多くの実践的な経験を積むことができる。
 
Ms. Parichartがいうには、近年のデジタルメディアの発達につれ、ジャーナリズム専攻を志す学生の数は右肩下がりだという。コミュニケーションアート学部では学生に対し、ジャーナリズムというのは紙媒体に留まらず、大衆に情報を伝えるもの全てをカバーするものだということを理解させるのに努めている。
 
「ハードでの情報提供者は今でも必要とされています。なぜなら私たちの頭は常に新鮮な情報を求めているからです。しかし、情報を提供する側は良質なコンテンツをどのようなプラットフォームにおいても配信できるようになっておく必要があります」とMs. Parichartは述べた。また、学生には「上質な情報とは水のようにあらゆる容器に注ぐことができるものである」と教える必要があるということだ。
 
チュラロンコン大学コミュニケーションアート学部では、直近5年間は毎年150~160人の学部生を迎え入れているが、修士課程では入学者数が80人から55人に減少しているということである。
 
「カリキュラムの見直し後、学部新入生の数を収容定員上限の180人に増やしたいと考えています」と彼女は述べた。
 
コミュニケーションアート学部では、データサイエンス分野の修士課程の新設や、広告やインフォグラフィックスに関する無料オンラインコースをSME(Subject Matter Expert:社内専門家)や一般に向けて開講する予定だ。
 
このデジタルの時代を生き抜くための同様の事例として、2017年バンコク大学はジャーナリズムとブロードキャスティングプログラムという2つの部門を、1つに統合している。
 
2018年2月27日
 
Bangkok Post:Chula overhauls courses to stay abreast in digital era
 

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 組織・ガバナンス・人事
レポート 海外センター