【ニュース・タイ】タイ国立ナノテクノロジー研究センター(Nanotec)が国内7大学とMoUを調印

 
タイ国立ナノテクノロジー研究センター(Nanotec)が同センターのプロジェクトにより設立されたリサーチネットワークの第三段階として、7つの大学が有する11のネットワークセンターとMoUを締結した。
 
この合意が目指すものは、ナノテクノロジーの研究ネットワークを構築することに加え、研究開発により生み出された技術の実用化を推進する。これらは究極的にはタイ国内に経済的、社会的な利益をもたらすことを目標としている。
 
今年から始まった第三段階では双方にメリットのある研究トピックに基づいてNanotecとネットワークセンターが特別な研究ネットワークを形成する。双方で大学院生の指導を行ったり、技術の商業利用に向けた更なる実用化を推進する。
 
NanotecのWannee Chinsirikul理事長は「5つの枠組みからなるナノテクノロジー研究のターゲット分野は医療と公衆衛生、環境、食糧と農業、解析・測定、エネルギーである。」と述べた。
 
Nanotecはマヒドン大学(Mahidol University)、キングモンクットトンブリ工科大学(King Mongkut’s University of Technology Thonburi:KMUTT)、チュラロンコン大学(Chulalongkorn University)、ウィタヤシメリティ科学技術大学院大学(Vidyasirimedhi Institute of Science and Technology) 、およびカセサート大学(Kasetsart University)、コンケン大学(Khon Kaen University)そしてスラナリー工科大学(Suranaree University of Technology)の7大学が有する11のネットワークセンターと共同研究を実施している。
 
このネットワークセンタープロジェクトに参加している7大学11センターとの協力体制は、タイ国ナノテクノロジー国家戦略構想(Thailand’s Nanotechnology Roadmap)およびタイランド4.0の目標に向けた最終計画と位置付けられる国家科学技術・イノベーション基本計画(National Science Technology and Innovation Policy)に基づく研究協力の推進を行うための主要なミッションの一つである。
 
ナノ医療の枠組みではNanotecとラマティボディ病院(Ramathibodi Hospital)は同病院で臨床実験をしながらNanotec糖尿病診断キットの更なる開発に取り組むこととしている。
 
Nanotecとシリラート病院(Siriraj Hospital)はリポソーマをターゲットにしたナノリポソーム粒子を開発している。更に、キングモンクットトンブリ工科大学のバイオリソースアンドテクノロジー研究科(School of Bioresources and Technology)と協働して健康モニターのためのナノセンサーの開発を行っている。
 
環境の枠組みでは、センターがチュラロンコン大学の環境工学部と連携し、ナノテクノロジーを用いた産業排水処理システムを開発している。
 
食糧、農業の枠組みにおいては、Nanotecがマヒドン大学理学部、チュラロンコン大学理学部と共に、重金属含有量と汚染度合を測る持ち運び可能なセンサーや農業用スマートセンサーおよびスマートシステムを開発している。
 
(2018年10月9日 Bangkok Post紙)
 
Nanotec signs MoU with 7 universities

地域 アジア・オセアニア
タイ
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