【ニュース・タイ】タイの学生は未だに遅れを取っている

タイの教育制度では、その教育的文化のせいで、クリティカルシンキング、問題解決能力、高い語学力などの21世紀の労働市場にとって重要なスキルを身につけさせることはできなかった。と、タイの学生を世界のエリート大学に入学させる支援を行うコンサルティング会社のクリムゾン・エドゥケーション・タイランド(以下クリムゾン社)は述べている。
クリムゾン社のマネージング・ディレクターであるSujaree Xu氏は、タイの時代遅れのカリキュラムや教育文化を批判し、課外活動や自立促進などのソフトスキルの発達に焦点を当てておらず、タイの学生がどのような教育を受けているかについて、根本から変えて行く必要があると述べている。これは、タイの教育における問題の根本“タイの文化の社会的規範”に真正面から取り組むということを意味している。

 

「タイの教育システムは教育内容に重点を置き、また思考プロセスを必ずしも重視しない傾向があるため、『本当の理解』が存在しないことがある。タイの教育は、クリティカルシンキングや知を掘り下げるような学習を奨励するものではないため、学生は根本的なレベルにおいて、知識や理解を応用できていない。」とSujaree氏は述べる。
その結果、タイの学生は、討論に参加したり、分析的に思考することに慣れておらず、グローバル社会で競う時においては、自分の自由な発想を伝えたり、疑問を持つことが奨励されてこなかった。

 

タイの学生は、学習を単なるデータや内容の理解と見なすのではなく、スキルの取得、あるいはむしろ学習するための能力として、分析し、批判的に物事を考える能力として学習を受け入れる必要がある。
タイの親たちの間で、我が子が世界で活躍できる競争力をつけるためには、子供たちを国際プログラムや、タイのインターナショナルスクール、もしくは海外の大学などに留学させる必要があるとの認識が増加している理由である。海外で取得した学位は、雇用主にとって優れた名刺になる。

 

2017年Times Higher Education top 300 Asia University Rankingsにおいては、わずか10大学のみのランクインであり、6大学のランキングは2016年よりランクを落としてしまったため、クリムゾン社は、より豊かなタイの親たちがより広いエリアやグローバルな舞台で働くための能力を身に着けさせるため、海外での教育を視野に入れることを期待している。
「教育コンサルティング会社として、タイ市場で成長する可能性と機会を見出している。海外留学は、将来の仕事の見通しを良くするする可能性が高いため、より多くの保護者が子どもたちを海外に留学させたいと考えている。」とSujaree氏は話す。

 

教育省によると、タイは毎年6,000人と8,500人の学生を、英国と米国の高等教育機関にそれぞれ送り出している。

 

Sujaree氏は、タイの教育コンサルティング会社間の競争が激化する可能性が高いと述べたが、彼女の会社であるクリムゾン社は、ハーバード、イェール、スタンフォード、オックスブリッジなど、世界で最も権威のある大学やアイビーリーグの大学への受け入れの支援に焦点を当てているため、影響がないと考えている。
「昨年、15人の学生が私たちのサポートを受け、2名については、2016~17学期に第1希望の大学に入学した。1名については、マサチューセッツ工科大学(MIT)とアイビーリーグのブラウン大学の両方に合格する一方、UCL、キングズカレッジ、ウォリック大学など、応募した英国の大学の5つすべてに合格している。」と彼女は言う。
Sujaree氏によると、今年度はクリムゾン社では20〜30人の学生を獲得する予定だが、学生の数を50人以下に抑え、サービスの質を管理し、学生一人一人に十分なケアをするための時間を確保することを目指している。
「来年のために、我々は50%の成長を目指し、そのためにクリムゾン社は最高レベルに教育されているスタッフを確保するために力を注ぎ、特定の分野の専門家がいるということで、タイの学生の特定のニーズにも対応ができる。クリムゾン社には6人の専門家がいて、来年さらに2人増員を目指す。」と彼女は語った。

 

2017年4月7日

 

PressReader:Thai students still lag behind [Bangkok Post]

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育