【ニュース・タイ】タイの大学は世界ランキングで凋落傾向

近年世界の優れた高等教育機関のリストに掲載されない状況が続くなど、タイの大学の凋落傾向が懸念されている。

 

Times Higher Education(THE)誌の世界大学ランキングの編集長Phil Baty氏によれば、「最新のデータはタイの深刻な状況を示しており、国内の主要な高等教育機関が上位600位以内にランクインしていないだけでなく、その他の機関についても軒並み順位をさげている。」とのことだ。

 

2018年9月26日、同氏は世界大学ランキング2019の公開を受けて、同ランキング23位にランクインしたシンガポール国立大学(National University of Singapore)でコメントを発表した。

タイの高等教育機関は、上位100位はおろか、上位500位以内にさえランクインできていない。
以前はタイで最高位であったマヒドン大学(Mahidol University)は501-600位のグループから今年は601位-800位にまで順位を下げた。
タイで最も古い歴史を持つチュラロンコン大学(Chulalongkorn University)は601-800位から801-1,000位に急落した。
キングモンクットトンブリ工科大学(King Mongkut’s University of Technology Thonburi)も、スラナリー工科大学(Suranaree University of Technology)も同様の結果だ。
プリンスオブソンクラー大学(Prince of Songkla University)、カセサート大学(Kasetsart University)、コンケン大学(Khon Kaen University)そしてキングモンクットラカバン工科大学(King Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang)も801-1,000位のグループから1,001位以下に下がるなど低評価だった。
とはいえすべてのタイ国内の高等教育機関が順位を下げている訳ではない。

 

タイ北部の名門であるチェンマイ大学(Chiang Mai University)は801-1,000位のグループに残った。
更に、キングモンクットノースバンコク工科大学(King Mongkut’s University of Technology North Bangkok)も前回同様1,001位以下のグループに留まっている。

 

これらと別に、マハサラカム大学(Mahasarakham University)、ナレスワン大学(Naresuan University)、シーナカリンウィロート大学(Srinakharinwirot University)、タマサート大学(Thammasat University)と、タイからは4校が初めてのランクインを果たした。すべて1,000位以下のグループだ。

 

この毎年公表される最も信用の高い高等教育機関のランキングは、今回15年目を迎え、86か国から1,250を超える高等教育機関が掲載されている。今年の世界大学ランキングでタイの大学は掲載数を増やしランキングでの存在感は増したものの、その順位の低さから目を背けるべきではない。

 

一方、隣国のマレーシアは健闘している。最高峰のマラヤ大学(University of Malaya)は351-400位から301-350位に格上げされた。昨年はマレーシアからランクインしたのは9機関だったが、最終的に、2019年のランキングには11機関がランクインすることとなった。
また、英国のオックスフォード大学(University of Oxford)とケンブリッジ大学(University of Cambridge)は昨年に引き続き1位と2位にランクインし、次点に僅差で米国のスタンフォード大学(Stanford University)が続いている。

 

2018年9月27日

 

The Nation:Thai universities drop in world rankings

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
統計、データ 統計・データ