【ニュース・タイ】コンケンとプーケットがアジア太平洋地域のスマートシティに指定

International Data Corporation(IDC)Thailandは、2018年のIDCスマートシティアジア太平洋賞(Smart City Asia Pacific Award:SCAPA)をコンケン(Khon Kaen)市とプーケット(Phuket)市に贈り、日本を除くアジア太平洋地域(Asia Pacific excluding Japan:APeJ)で最も優れたスマートシティプロジェクトを持つ都市として指定した。

 

SCAPA受賞となった “Khon Kaen Smart Health Project” と “Phuket Smart Tourism and Living Communities Project” は、それぞれ「公衆衛生と社会サービス」と「観光・芸術・図書館・文化・オープンスペース」のカテゴリーでの受賞となった。

 

コンケンとプーケットの上記プロジェクトはタイ・デジタルエコノミー推進庁(Digital Economy Promotion Agency:DEPA)により開始されたものであり、APeJ地域における 148のスマートシティプロジェクトのうち最も優れた19件に選ばれていた。
IDCによると、この2件は最新の技術(クラウド、プラットフォーム、データ解析、IoT(Internet of Things)、モバイルソリューション)とデータ、特徴的なパートナーシップ、資金調達モデルの構築、地域コミュニティとの連携などを活用した都市革新のベストプラクティスを示しているという。

 

“Khon Kaen Smart Health Project” は、DEPAが地域の医療サービス業者や大学と組んで行っている施策であり、3つの構成要素を持っている。

第一の要素は、遠隔会議システム、IoT、救急隊派遣業務の効率を高めるロボット技術を活用し、患者が病院に到着する前に医者が初期診断と緊急治療を行うことを可能にしたスマート救急車である。
第二の要素は、市民の健康に関わるデータを観察・収集し、それに応じて健康指導を実施するためのスマートリストバンドとスマートホームソリューションを活用する予防医療サービス。
第三の要素として、ブロックチェーン技術とビッグデータ分析を活用し、官民双方の医療サービス業者がアクセス可能な医療データ共有プラットフォームを現在開発中である。

 

一方、“Phuket Smart Tourism and Living Communities Project” は、DEPAとタイ・デジタル経済社会省(Ministry of Digital Economy and Society)の共同施策で、様々な政府機関、プリンスオブソンクラー大学(Prince of Songkla University)、プーケット市開発局(Phuket City Development)と協力して、都市の持続可能な観光開発と地域住民の安全確保を目的としている。

このプロジェクトを表すキーワードとしては、スマート観光、住民の安全、スマート環境、スマート政府などがある。
スマート観光は、街の隅々へ無料の高速Wi-Fiを整備したり、プーケットスマートシティアプリケーション、スマートリストバンドを観光客向けに提供したりしてスマート観光の実現を図っている。
住民の安全は、ナンバープレートや顔認識、船舶追跡システムなどの分析機能を備えたCCTVカメラを導入することによって高められている。
スマート環境への取り組みとしては、IoT技術を活用した排水管理システムの導入が代表的だ。
スマート政府は、政府の意思決定を助ける都市データをリアルタイムで供給できる都市データプラットフォームの開発の実現にも取り組んでいる。

 

アジア太平洋地域でスマートシティ改革が大きな経済的、社会的、環境的な意味合いを持ち、政府機関から市民一人ひとりに渡るあらゆるレベルでの協力・連携が必要であるとIDC Thailand 運営責任者のJarit Sidhu氏は述べた。DEPAは街をより住みやすく、住民がより前向きな生活を送るために、スマートシティ改革が持つ可能性の検証、新興技術とイノベーションの活用を進めている。

 

2018年8月6日

 

The Nation:Khon Kaen and Phuket click as smart city picks in Asia Pacific

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