【ニュース・タイ】コロナ渦で急がれる大学改革(1)

 
人口構成の変化、急速な技術革新、グローバル化、コロナウイルスの大流行がもたらした急激な混乱により、大学は、その役割および学生や社会
提供する価値の再定義を余儀なくされている。
 
高等教育科学研究イノベーション大臣を辞任した Suvit Maesincee 氏は先週、辞意表明の直前にバンコク・ポスト紙に語る中で、大学が直面している
課題、将来の大学はどのようなものになるのか、タイの大学は世界の教育の流動性の変化にどのように適応していくことができるのかについて、
考えを共有してくれた。
 

進むべき道
 
Suvit 氏によれば、大学は現在、少なくとも3つの大きな課題に直面しているという。1つ目は、国の人口構造の変化である。
 
「出生率が大幅に低下し、近い将来、大学は中等教育修了者に頼ることができなくなってくる一方で、タイ人の平均寿命は、健康関連のテクノロジー
の発展により、伸びることが予想
されている。」
 
Suvit氏は、テクノロジーの崩壊を生き抜くためには、大学は中等教育修了者を呼び込むために競争するのではなく、既に雇用市場にいる人々の再訓練
や再教育
にもっと力を入れる必要があると考えている。
 
「人々が長生きし、長く働くようになるにつれ、テクノロジーの変化のペースに合わせて何度も何度も再教育を行う必要があるため、大学は顧客基盤
を拡大し、より柔軟に対応、中等教育修了者の呼び込み以上のことに力を入れなければならなくなるだろう。」
 
Suvit氏は、学生が4年間かけて残りの人生を過ごすための学位を取得する場所としての大学という現在の伝統的なモデルは、将来的には無意味になる
だろうと述べている。教育機関は、より柔軟性を持ち、学生ひとりひとりが自分の能力に最も適したペースで学習し、自分にとって最も有益な内容
に取り組むことができるように、カリキュラムを整備しなければならないだろう。
 
大学は、学生を有能な労働者にするために必要なスキルを提供することに重点を置くのではなく、学生が生涯学習者になるための準備をするべきである。
 

 

地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 高技能職業人材の育成