キングモンクットトンブリ工科大学(King Mongkut’s University of Technology Thonburi:KMUTT)が医療セクター向けロボット開発プロジェクトに乗り出した。プロジェクトは、ロボット式調剤装置の開発に第一目標を定めた。
KMUTTフィールドロボティクス研究所(FIBO)所長のSiam Charoenseang博士は次のように述べた。
“我々は、患者数に比べて数が不足している医療従事者の負担を軽減することを目標としており、業務の効率化と医療ミスの減少が期待できる。我々は実際の仕事環境に基づいてロボットを開発し、タイの実情に応じた問題解決策を提供する。”
FIBOはタイ生命科学センター(Thailand Centre of Excellence of Life Sciences: TCELS)、Supreme Hitera Co Ltd.と協定を締結、協力してプロジェクトを進める。
Supreme HiteraのKamthorn Kanchanawatte社長は、“ロボット式調剤装置の導入により、病院のスタッフは他の仕事に時間を割けるようになり、人的ミスと患者の待ち時間を減らすことができる”と述べた。
TCELSの最高経営責任者のNares Damrongchai博士は次のように述べた。
“医療用ロボットの開発はタイの競争力と経済の強化につながる。また、このプロジェクトは人材開発と人材の流動にかかるものでもある。
我々が西洋から購入したロボット技術は、コマンドキーをタイ語に翻訳するなどタイの社会に適合させる必要があった。
病院のスタッフはロボットをどのように操作するかを学ぶ必要がある。ロボットは自動で動くとはいえ、システムを継続的にメンテナンスする必要がある。
このプロジェクトを今後も実施すれば6億バーツの労働コスト削減が期待できるため、約1億バーツを投資する価値はある。”
Siam博士は、今後病院での高難度の業務に対応するためにより高度なロボット開発を行う可能性があると述べた。
(2015年2月16日 Nation紙)