【ニュース・タイ】オートメーション・ロボット産業界 新進気鋭のリーダー(2)

 
確立されたロボット・オートメーションのエコシステム

 
タイの主要産業や投資家のグローバルなサプライチェーンに関わる多国籍企業が、タイのオートメーション・ロボット産業の発展を先導してきた。
タイ国内のオートメーション・ロボット産業の企業の大半は、システムインテグレーションやメカニカルブレイン、ソフトウェア開発などの事業
行っている。

 
タイのオートメーション・ロボット産業は、10年以上前の開発初期段階から、完成したロボットや部品をアジア全域に輸出しながら、輸入に
頼らない包括的なサプライチェーンへと進化し続けてきた。長年にわたり、タイは国産ロボットを生産する能力を高め、活気あるスタートアップ
のシーンを生み出してきた。これを可能にしたのは、地元の起業家の創造力と、ロボット・オートメーション産業の需要側と供給側の双方に
対する政府の支援である。

 
ビジネスの価値を高め、中小企業を強化し、経済成長を促進する上でオートメーション・ロボット産業が果たす役割を認識しているタイ政府は、
オートメーション・ロボット産業を「タイランド 4.0」ビジョンの対象産業の一つとして取り上げている。オートメーション・ロボット産業のエコシステム
の開発を促進するための政府の取り組みの2つの重要な柱は、新しいイノベーションを供給するための研究開発の促進と、優秀な人材を提供するための技能
研修の強化
である。

 
オートメーション・ロボット産業の発展を目指し、工業省はタイ‐ドイツ研究所と協力して、 タイ国内トップレベルの理工系大学と連携し
ロボティクス・エクセレンス・センター(CoRE) 」を運営している。センターの主な使命は、ロボットのプロトタイプ製作の奨励、学術界から
産業界への技術移転の促進、国際的な技術ネットワークの育成、人材の関連技能の開発である。

 
これに先立ち、タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は、オートメーション・ロボット工学の学士および修士プログラムを提供し、バイオインス
パイアード・教育用ロボット研究室、マイクロロボット研究室、無人車両・自律型ロボット探査研究室(UVAX)など多くの研究室を運営する
フィールド・ロボティクス研究所(FIBO)を設立した。

 
タイ・オートメーション&ロボット協会(TARA)もまた、タイのオートメーション・ロボット産業の発展に重要な役割を果たしている。TARA は、
タイ投資委員会(BOI)やCoREと協力し、多業種間の連携を促進しているほか、登録されたシステムインテグレーター(SI)のリストの提供、
現地SI のトレーニングの手配、ファクトリーオートメーションのための設計・統合の促進など、オートメーション・ロボットシステムへの現地
投資を支援するエコシステムを構築している。

 


地域 アジア・オセアニア
タイ
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
人材育成 高技能職業人材の育成
社会との交流、産学官連携 産学官連携
レポート 海外センター