【ニュース・タイ】アジアの科学者トップ100にタイ人研究者2名がランクイン

前副首相を含むタイの科学者2名が、ノーベル賞受賞者である屠 呦呦(Tu Youyou)氏らとともに「アジアの科学者トップ100(AS100)」に名を連ねた。

 

このリストはAsian Scientist誌によって初めて編さんされたもので、タイ国民であるYongyuth Yuthavong氏とAgachai Sumalee氏の名前が載っている。

 

Yongyuth氏はオックスフォード大学で有機化学のPhDを取得し、科学分野のみならず政界でもその業績はよく知られている。同氏は2006年に科学技術大臣に任命され、2014年から2015年にかけて副首相も務めた。

 

政界外では、Yongyuth氏はマヒドン大学(Mahidol University)に30年近く従事し、研究において大きな役割を果たした。さらに、科学技術省下のタイ国立遺伝工学・バイオ技術センターやタイ国立科学技術開発庁(NASTDA)などの重要な機関の立ち上げにも携わった。

 

2004年には、マラリア研究で傑出した役目を果たし、タイの科学技術研究システムを発展させたことが評価され、第9回日経アジア賞(科学技術部門)を受賞した。

 

その一方で、現在、キングモンクットラカバン工科大学(King Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang:KMITL)の著名人であるAgachai氏も素晴らしく注目度を高めている。

 

Agachai氏は、KMITLで土木工学の学士課程を優秀な成績で修了した後、リーズ大学へ進学した。ここで同氏は2000年に科学(工学)の修士号を取得すると同時に、同大学交通科学研究所の企画・工学優秀賞を受賞し、2014年には哲学博士号を取得した。

 

2004年から2006年までの間、交通科学研究所でシニア研究フェローとして研究を行い、2006年から2012年には香港理工大学で土木・構造工学科の助教として従事した。現在、同氏はKMITLの学長補佐兼スマートシティ研究センター長である。

 

高速道路の渋滞を緩和させる自動制御交通システムを開発するため、交通流アルゴリズムと高速道路センサーを結び付けたことで、2014年にAPEC科学賞イノベーション・研究・教育部門(ASPIRE)を受賞した。

 

AS100によって評価されたことは、両氏に栄誉を与えたにすぎない。

 

AS100のリストには、各国の最も輝かしい科学者ら数名も含まれている。そして、日本はその中で最多となる29名が名を連ね、中国が20名、インドが15名と続いている。また、韓国の研究者が9名、フィリピン、香港、台湾が各5名、ベトナム2名、マレーシア1名もランクインしている。

 

南洋理工大学助教授で、Asian Scientist誌の創設者でもあり編集長のDr. Juriana Chanは、次のように述べた。「我々はAS100のリストを用いて、科学的知識をさらに追求、技術的限界を突破し、そして人々の生活を改善するため、質の高い研究に対する正当な評価をアジアの科学者らに与えたい。」

 

同氏はまた、このリストがコラボレーションの可能性を切り開くことを期待しており、「我々は、その地域の優秀な科学者と共に研究をしたいと考えている各地の研究者の関心を高めるよう努めたい。」と述べた。

 

(2016年5月6日 The Nation紙)

地域 アジア・オセアニア
タイ、その他の国・地域
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究
統計、データ 統計・データ