【ニュース・スウェーデン】大隅良典東京工業大学栄誉教授がガードナー国際賞、国際生物学賞を受賞坂口志文大阪大学特別教授がガードナー国際賞を同時受賞

大隅良典東京工業大学栄誉教授が、2015年ガードナー国際賞(※1)及び第31回国際生物学賞(※2)、坂口志文大阪大学特別教授が2015年ガードナー国際賞をそれぞれ受賞することとなった。

大隅栄誉教授は、2014年9月に東京工業大学、ウプサラ大学、JSPSストックホルム研究連絡センターの共催で開催された「東京工業大学・ウプサラ大学合同シンポジウム」(於 ウプサラ大学)において講演した。
大隅栄誉教授のガードナー国際賞の受賞理由は、オートファジー(自食作用)の仕組みの分子レベルでの解明である。オートファジーとは細胞内のタンパク質の分解と再利用の基本的な仕組みで、その機能に異常が生じると神経変性疾患、癌、感染症等の病気を引き起こすなど医療においてもその重要性が認識され始めている。また、アルツハイマー病などの神経変性疾患、癌、加齢に伴う病気などを治療する医療への応用が期待されている。
また、国際生物学賞の授賞理由は、多数の ATG 遺伝子の働きによってオートファジーが引き起こされるメカニズムを解明し、生物界に広く保存された重要な生命現象であることを示したことである。国際生物学賞委員会は、生命科学の重要な新しい分野を確立したと大隅栄誉教授の功績を評価した。

坂口特別教授は、2014年6月に大阪大学、カロリンスカ医科大学(Karolinska Institutet)、JSPSストックホルム研究連絡センターの共催で開催された「カロリンスカ医科大学・大阪大学ジョイントシンポジウム」(於 カロリンスカ医科大学)において講演した。
坂口特別教授のガードナー国際賞の授賞理由は、制御性T細胞の発見と免疫における役割の解明、ならびに自己免疫疾患と癌の治療への応用である。坂口特別教授は、授賞にあたり「人への貢献、特にがんや難治疾患の治療にこの研究を活かすことが重要と改めて認識しています。将来根治がどこまで可能かと期待をもちながら研究を続けていきたい。」と述べた。

※1 ガードナー国際賞:ガードナー国際賞(Gairdner International Award)は、カナダのガードナー財団より、生命医学に対して顕著な発見や貢献を行った者に与えられる学術賞。毎年、3名から6名に与えられる。賞金は10万カナダドル。生命医学に関する賞として、最も著名な賞の一つとして知られる。1959年から開始され、これまでの55年間において15か国320人が受賞、うち82人がその後ノーベル賞を受賞している。

※2 国際生物学賞:昭和60年に創設され、日本学術振興会の国際生物学賞委員会が生物学の授賞分野を選定の上、当該分野の研究において優れた業績を挙げ、世界の学術の進歩に大きな貢献をした研究者に授与される。

 

日本学術振興会:国際生物学賞
東京工業大学:大隅良典栄誉教授が「2015年ガードナー国際賞」を受賞
大阪大学:坂口志文特別教授(WPI-IFReC)が「2015年ガードナー国際賞」を受賞

地域 北欧・バルト三国、アジア・オセアニア
スウェーデン、その他の国・地域
取組レベル 国際機関レベルの取組、大学等研究機関レベルでの取組
顕彰 顕彰