2018年7月5日、スウェーデン政府は大学入試に関する新ルールの導入を決定した。
新ルールは個人の能力評価に重点を置いており、個人には大学での教育を享受し、修了できるための能力を有していることが求められる。政府はまた、大学入学の方法を拡充するため、学校教育を通じて基礎資格を取得できていない者を対象とした国家適正試験の試行を決定した。
「職業経験を含め、個人の能力は評価され、活用されるべきである。これはデジタル化、変化する労働市場、優れた能力へのニーズなどに対応するために必要である。」とHelene Hellmark Knutsson高等教育・研究担当大臣は述べた。
新ルール実施のため、政府はスウェーデン高等教育評議会(Universitets-och högskolerådet:UHR)に以下6つの具体的な任務を与えることを併せて決定した。
大学入学に関する新ルール導入に向けたUHRの任務は以下の通り。
- UHRは、大学入学に必要とされる基本的な能力に関して詳述するものとする。とりわけ、この記述は国家適正試験の基礎をなすものである。
- UHRは、大学入学のための基本的な能力を測る、新たな国家適正試験を開発し、試行の準備を行うものとする。
- 教員養成課程において数多くの中途退学者が見られる。UHRは、入学要件を引き上げ、入学時における出願者のモチベーションを測定するため、教員志望者が受験する特別試験の準備を行うものとする。
- より多くの者が教員養成課程へ進む必要があるが、同時により多くの者がこの教育を修了できるようにする必要がある。UHRは、例えば教員研修など、教員資格取得のためのより高い要件を備えた教育モデルの調査を行うものとする。
- 大学の求める以上に優秀な出願者がいる場合、様々な種類の資格を選抜基準として利用できる。教育を受ける者は、その教育を修了するための資質を有しているべきである。各高等教育機関が地域で定められた選抜基準を利用するため、UHRは、彼らを支援するものとする。また、UHRは、成績や入学試験結果以外の選抜基準を開発するため、高等教育機関の支援を併せて行うものとする。
- UHRは、いわゆる加重された入学試験結果を用いて、実験的な活動を行うものとする。これは複数の選抜において、入学試験結果の2つの側面(筆記試験及び面接試験)がそれぞれの選抜において異なる方法で加重され得ることを意味する。なお、UHRは、この加重された入学試験結果の導入の可能性についても説明するものとする。
2018年8月6日
【出典】
Regeringskansliet(スウェーデン官公庁):Så ska de nya antagningsreglerna bli verklighet