【ニュース・イギリス】UKRI のパブリックエンゲージメントの構想

 
2019年9月5日 、UKリサーチ・イノベーション(UK Research Innovation:UKRI)は社会の知識と価値を構築し、あらゆる人々に門戸が開かれている世界的研究とイノベーションをいかに促進していくかという報告書を発表した。
 
報告書が掲げる4つの目標は:

  • 恵まれない環境のコミュニティや地区に焦点を向ける。
  • 積極的に仕事に参加する。
  • 若者に刺激を与え、やる気を出す。
  • 耳を傾けさせて、社会的関心ごとや願望を理解する。

 
これらの目標は助成金募集、研究と分析の委託および、試験的な新しいやり方で達成される。
この構想は過小評価されているコミュニティとの研究及びイノベーションに関する新たな協力方法を試す大学とコミュニティパートナーに対する、UKRI初の公的資金提供の取り決めに関連して始められた。
 
【補足】UKRIの新パブリックエンゲージメント*の目標
 

  • 過小評価されているコミュニティと場所を、研究とイノベーションによって結び付ける
    研究者・イノベーターと一般市民との間にあるギャップは、特定のコミュニティや場所、これらの分野への参加、理解、信頼、賛同という観点となると、非常に深刻である。これらのギャップを埋めるには、全員のために機能する研究とイノベーションが必要である。そして、我々は研究者、イノベーター、そして機関が、彼らが関わっている聴衆のことと、彼らが過小評価されているグループへの取り組みにどのようにもう一度焦点を当てるかを再考するのを支援していく。
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  • 活動に幅広い人々を積極的に巻き込む
    気候変動や最新の健康研究について一般の人々と話すことは大事な活動である。研究やイノベーションが焦点を当てるような質問をしようが、市民科学で学んだ参加者として加わろうが、パブリックエンゲージメントは一般の人々を活動的な参加者とみなす。
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  • 研究とイノベーションに情熱を持った次世代を育てる
    英国は、21世紀の世界における地位を確保するのであれば、傑出し多様性のある労働力を必要とする。博物館、科学センター、催事、そして学校の部活動での非公式な学習活動は若者が研究とイノベーションに取り組むための重要な方法である。全ての若者は、その背景や居住場所に関係なく、これらの経験をしやすい環境にあるべきだ。
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  • 一般の関心と願望に耳を傾ける
    英国は、研究とイノベーションのために一般の関心や願望を理解する方法を開拓してきた。イノベーションのペースが増加し続けるので、政策決定者、投資家、研究者、イノベーターが、計画と優先事項の立案において社会と協力できるようになることが、これまで以上に重要になっている。

*パブリックエンゲージメント:
英国で生まれた概念。公共の問題について、高等教育機関や専門的機関だけでなく、一般市民も積極的に関与することを意味する。ただし、特定の主義主張に偏った運動ではなく、公共的な問題に、いかに一般市民にも考えて関与してもらうか、その仕組みをいかに作るかを考える概念。
 
UKRI: UKRI publishes new public engagement vision
 

補足: Enhancing place-based partnerships in public engagement

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 研究
社会との交流、産学官連携 地域連携