【ニュース・イギリス】EU離脱後の科学研究の保護を公約

 
英国政府は、2019年8月9日にブレグジット後における研究とビジネスに対して更なる支援の公約を公表した。この公約により、英国における世界をリードする研究はブレグジット後も保護される。

  • 政府は合意なき離脱が起きた場合でも科学への更なる資金を準備しているとの公約を強化した。
  • この公約は、ノーベル賞獲得の可能性がある研究テーマがブレグジット後に消失されないことを保証する。
  • 公約は、英国がEU離脱後もイノベーションと研究における世界的地位を維持するのに決定的なものである。

Boris Johnson首相とJo Johnson科学担当大臣は、研究コミュニティに対し、政府は英国がEU離脱する前にEUの資金を探している科学者と研究者に対して、素晴らしい研究とイノベーションが資金提供されることを保証するため、更なる資金を提供することを再保証した。資金は、EUの研究とイノベーションに関する資金プログラムであるHorizon2020への英国の研究提案に利用できる。この公約は英国の以下の機会を保護する。

  • ヨーロッパ研究評議会(European Research Council:ERC)
  • マリー・スクウォドフスカ・キュリー・アクションズ (Marie Skłodowska-Curie Actions:MSCA)
  • SME instrument programmes

もし、合意なき離脱となり、Horizon2020が英国を資金プログラムから除外した場合である。
 
これは、研究技術への投資を増やし、ブレグジット後の世界における科学の最先端としての英国の地位を維持するための政府公約の一部である。
 
首相はまた、英国が世界中から科学や研究の国際的な才能を惹きつけ続けるため、政府は科学者のための早期ビザ取得ルートを開発することを発表した。
  
Jo Johnson科学イノベーション担当大臣は以下のように述べた。

 
「EUと交渉を確保する意欲を英国は持ち続けるが、同時に我々は合意なき離脱に向けての準備も必要としている。今回の公約は、研究者とイノベーターが、英国がEUを離脱するかにかかわらず、Hrizon2020に自信をもって申請書を提出できることを意味している。」
 
「英国の科学研究システムは、世界で最も優れたもののひとつである。しかし、優れたアイデアは国境を越え、科学は世界的に達成に向けて努力するものでもある。これこそが、英国が優秀で素晴らしい研究者を英国に引き付けるために早期ビザ取得ルートを開発している理由である。」
 
UKリサーチイノベーション(UK Research and Innovation: UKRI)は、EUの資金プログラムに申請できない場合、その代わりに審査し資金提供することを保証する。英国の最も優秀な研究者とイノベーターのアイデアが無駄にならないよう保証する。
 
この公約は、英国のビジネス界と研究者が、科学コミュニティの最も創造的な考えを持った者の一部から研究を支援する一流の助成金プログラムへの申請の再保証を歓迎する。採択された研究は、助成金が続く限り、資金を助成される。
 
英国は第3国として他のHorizon2020スキームに参加する資格を維持し、採択者は、政府の既存の保証と延長によって賄われる。
 
今回、政府は気候変動、感染症、社会におけるAIの適応に国際的に取り組む世界規模の研究に対し、6,000万ポンドの増額を発表した。
 
注釈

  1. 政府と資金配分機関であるUKRIは、この新たな資金への申請方法を改めて発表する。
  2. 英国がEUを合意なき離脱した場合、英国はHorizon2020の第三国の参加者になる。
  3. 第三国は幅広いHorizon2020の補助金に共同参加はできる。ただし、権威あるHorizon2020の「単独受益者」のスキームがこれらのプログラムの重要部分を占めており、第三国に対しては完全には開放されていない。
     
    ・ヨーロッパ研究評議会(European Research Council:ERC)
     最高の研究者が画期的なフロンティア研究を実施できるようにする非常に権威ある資金
    ・マリー・スクウォドフスカ・キュリー・アクションズ(Marie Skłodowska-Curie Actions:MSCA)
     個人のフェローシップ、スタッフ交換、研究訓練ネットワークのための資金。研究者としてのキャリアが始まった研究者が対象
    ・Small-and-Medium Sized Enterprise Instrument (SMEi)
    ・中小企業向けの高強度資金。この資金は、市場を創り出すイノベーションを支援する。

  4. 政府は、合意なき離脱の場合のEUスキームに認可された申請のための資金を既に保証している。しかし、政府は英国のトップ研究者と最も革新的な中小企業が、今後もEUの資金を利用できるようにする。

  5.  
    gov.uk: Government pledge to protect science and research post Brexit

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政
大学・研究機関の基本的役割 研究
研究支援 研究助成・ファンディング