【ニュース・イギリス】EU離脱後に英国独自の国際研究助成金機関が必要?

2017年5月30日、英国の高等教育専門雑誌Times Higher Educationによると、第一線にいる研究者が、英国はEU離脱後にEUからの研究費が絶たれることとなれば、全世界の研究者に門戸が開かれている英国独自の国際研究助成機関の設置が必要だと語った。

 

欧州研究会議の科学委員会のメンバーであるDame Janet Thorntonは「英国の研究者が引き続き世界の競争の舞台で活躍するには、欧州研究会議のプログラムと似た、研究者の好奇心に基づく研究を推進するプロジェクトが必要である。」と述べた。

 

現在の欧州委員会の研究プログラムであるホライズン2020は2014年から2020年の間に€800億(£692億)が投資されることになっている。その中で欧州研究会議は€131億の予算を短期的な応用研究ではなく、目標が限定されないBlue sky researchに対して、学術的卓越性のみに基づいて助成している。

 

Dame Janet Thorntonは「欧州研究会議の研究費を獲得することは、ヨーロッパの他の研究者と競争している、という名誉の証であり、欧州研究会議のプログラムに参画できないということは英国の学術研究の弱体化につながると思う。」と述べた。

 

Dame Janet Thorntonが提案するシステムは、EUには加盟していないが拠出金を負担することで準メンバーとして欧州研究会議の研究プログラムに参加可能というシステムと同じように,各国が英国に基盤を置く国際研究助成機関の予算に貢献するとともに、助成金にも申請できる、というものである。

 

Dame Janet Thorntonはさらに次のように述べている。「欧州研究会議はすべての応用研究よりも優れた最先端研究を推進するスキームを作り上げた。研究者が我々のところに来て、『これこそが私たちがほしかったものだ』と言っている。今は、このように大成功した欧州研究会議がある。英国の研究者もこのような例を作るべきだと思う。」

 

Times Higher Education:Post-Brexit UK ‘may need to launch global funding council’

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