【ニュース・イギリス】23大学が試験的学生ビザ制度に参加

 
2017年12月18日、内務省(Home Office)は、英国で学びたい修士課程への留学生のための手続きを簡素化することを見据えた試験的ビザ制度を新たに23大学に対して広げる事を発表した。
 
現在この制度は、Oxford, Cambridge, Bath, Imperial College Londonの各大学で2年目を迎えており、英国で13ヶ月以下の修士課程で学ぶことを目指す留学生への手続きが簡略化されるだろう。
 
また、同制度では、労働ビザに切り替えて大卒向けの職に就きたい学生に対しても、課程終了後6ヶ月間英国への滞在を認めることによって大きな支援を行なっている。
 
本制度では、参加大学側に入国資格確認の責任があるため、学生はビザ申請において通常求められるものよりも少ない書類の提出で済む。移民のための規則にそぐわない申請者は拒否される。全ての学生には、引き続き内務省の安全確認及び本人確認が求められる。
 
新たに試験的制度の恩恵に加わる23大学には、イングランドの大学だけではなく、スコットランドの2大学、ウェールズの2大学、北アイルランドの1大学が含まれている。
 
最近の内務省の統計によると、ビザを申請する学生の数は昨年に比べて8%増加しており、ラッセルグループ(RG:Russell Group)*の大学を志願する学生では9%の増加があった。
 
新たに追加される23大学は、2018/2019学事年度受け入れ分よりこの試験的制度を利用できる。各大学は、ビザの発給拒否率が地域や地区の中で常に最も低かったということにより選ばれている。
 
GOV.UK:Twenty three universities join student visa pilot
 
【各機関の反応】
 

○RG/Tim Bradshaw事務局長のコメント
 
留学生は我々のキャンパスの学習環境を豊かにし、地元企業が世界と繋がるきっかけをつくり、英国に莫大な経済的利益をもたらす。ラッセルグループ大学への学部留学生7人ごとに、100万ポンドが英国経済に恩恵をもたらしている。
 
試験的制度の拡大はよいニュースである。それは学生に簡略化されたビザ申請を与え、卒業後の労働の提供を拡大する。このことは、この地で学ぼうとする学生を惹き付け、英国が優秀な学部卒の留学生から恩恵を受けることを可能にするだろう。この制度が、ビザに関する規制を最も高いレベルで守れている大学にもなるべく早く一層広がっていくことを期待する。

 
RG:Tier 4 visa pilot[2017年12月28日付]
 

※ラッセルグループは、英国国内で最高水準の研究レベルを持つ24大学で構成される団体。
 

○英国大学協会(UUK:Universities UK)/Alistar Javis会長のコメント
 
留学生は文化的にも経済的にも莫大な利益を英国にもたらし、どこの大学を選ぶかに関わらず、その圧倒的多数がビザ制度に従って行動していると明らかにされている。どんな大学であれ、ほとんどの学生がビザの規定に従っていることも証明されている。
 
政府が留学生による恩恵を明確に認識し、卒業後の就労機会を拡大することが、英国を留学生にとってより魅力的な留学先としうるだろう。近い将来、政府がさらに前進して、英国中の全大学で卒業後の就労の機会を学生に与えることを期待する。
 
世界的な留学生獲得競争は増しているため、英国が魅力的で歓迎的な留学先であり続けるために、英国は留学生のビザの体制を更に改善する必要がある。

 
UUK:Twenty three universities join student visa pilot

 
1ポンド≒152円(2017年12月28日)

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
国際交流 国際化、学生交流
人材育成 入試・学生募集
レポート 海外センター