2018年7月27日、学生局(OfS:Office for Students)は32万人以上の学生からの意見を集めた2018年の全国学生満足度調査(NSS:National Student Survey)の結果を発表した。調査結果では学生の満足度が高い水準である一方で、大学やカレッジが全ての学生に前向きな経験を保証するため、より多くのことをしなければならないということが示されている。
学生満足度調査はOfSと英国の各高等教育助成金配分機関(注:イングランドではOfSが同様の配分を所掌しているため、ここで言う各機関というのはスコットランド、ウェールズ、北アイルランドのものを指す)が実施しており、大学やカレッジ、学生組合や互助団体などが学生の学術的経験を向上させるために活用される。
全体的な満足度は、昨年の84%に対して83%であった。8%が自分の高等教育の経験に満足でも不満足でもなく、残りの8%が不満足であると回答した。
英国全土の413の大学やカレッジに在籍している、回答資格を持った学生のうち70%が自身の経験に基づいて回答を行なった。結果については、2018年8月中にUnistats*のウェブサイトでも公表され、どこで何を学ぶかについての選択肢を、大学進学の可能性がある学生に知らせる有用なエビデンスが示される予定。
*OfSや他の高等教育助成金配分機関が運営する、大学やカレッジの課程情報提供・比較サイト
Office for Students:National Student Survey 2018 shows high satisfaction levels but still more to do
【メディアの反応】
○ガーディアン紙(The Guardian)
奨学金の負債やストライキ(注:直近では2018年1月に年金の給付水準切り下げを巡って各大学で大規模なストライキがあった)に関する懸念がロンドンの有名校での調査結果に影を落としているという趣旨の報道を行なった。ロンドンにある有名な大学やカレッジの学生は他校の学生よりも不満を示しており、例として満足度が71%だったLondon School of Economics(LSE)や、72%だったUniversity of the Arts Londonが挙げられている。他にも全国平均より低い有名校があることを報じつつ、ロンドンでの居住や通学にはより高い費用がかかり困難が伴うため、としている。
なお、地域別では、ウェールズのフルタイム学生の満足度が最も高く86%となっており、次いで北アイルランドが84%、イングランド、スコットランドが83%とのことである。
また、最新データには、2017年に学生組合の支援によるボイコットにより結果を記録しなかった大学からの結果も含まれているが、一方で今年はオックスフォード大学もケンブリッジ大学も、採用されるのに十分な調査結果を提出できなかったとされている。
The Guardian:UK student satisfaction continues to fall amid debt and strikes