2017年1月19日、高等教育統計局（HESA：Higher Education Statistics Agency）は、英国の高等教育機関における2015～2016学事年度の雇用状況を公表した。
2015年12月1日現在、高等教育部門全体での職員は410,310人（2014年12月1日の408,835人から2％増）で、フルタイム職員が277,055人（前年比2％増）、そのうち女性は48％、パートタイム職員は133,070人（同1％増）、うち女性は68％である。
（教員）
- 教員は全職員の49％で201,380人。うち女性は45％、91,150人。
- 教員の49％、98,620人は研究･教育に従事、26％、52,590人は教育のみに従事。
- 教授職相当（学部長等を除く）は19,975人、うち女性は24％、4,775人。その他学部長等のシニア職は6,160人、うち女性は35％、2,155人。
- 教員の66％、132,070人が任期の定めのない雇用、34％が任期つき雇用。
- 英国以外のEU国籍の教員は17％、33,735人、EU以外の外国人教員は12％。
- 56歳以上の教員が19％。
（教員以外の職員）
- 教員以外の職員208,750人のうち、56歳以上の者が16％、ただし技術職では、31％が56歳以上。
- 女性は63％の130,855人、黒人・少数民族は11％の21,280人。
- 英国以外のEU圏国籍の職員は6％、12,490人、EU圏以外の外国人職員は4％。
Higher Education Statistics Agency：Staff at higher education providers in the United Kingdom 2015/16
【メディアの反応】
○ガーディアン紙（The Guardian）
同日付けのガーディアン紙は、英国の大学は3年連続で上級管理職に黒人教員を就けていないと伝えた。535人の幹部職員のうち、510人が白人、15人がアジア人、10人が混血、30人は自らの人種について無回答であった。
今回公表されたデータによると、黒人の教員は3,205人、1,805人が秘書業務、1,410人が清掃員、守衛、警備員などの単純作業に携わっている。一方で白人は158,000人が教員、70,000人弱が事務職、肉体労働に従事している。
統計結果は白人が優位を占め、上級職では男性が圧倒的多数を占めているという大学の状況を浮き彫りにした。
The Guardian：British universities employ no black academics in top roles, figures show
