1月31日、英国大学協会（UUK：Universities UK）は、高等教育関係機関について評価し、その改革を提案する報告書を発表した。評価グループは2016年2月にUUKによって設置され、高等教育機関を支援する関係機関の有効性とその責任を検討してきた。最終報告では評価結果と多くの提案が示され、その中には今後2年間で9機関を6機関に減らすことも含まれている。
○評価対象機関：
- Equality Challenge Unit（ECU）
- Higher Education Academy（HEA）
- Higher Education Careers Services Unit（HECSU）
- Higher Education Statistics Agency（HESA）
- Jisc（英国の高等教育機関にデジタルサービスを提供する非営利団体）
- Leadership Foundation for Higher Education（LFHE）
- Office for the Independent Adjudicator for Higher Education（OIAHE）
- Quality Assurance Agency（QAA）
- Universities and Colleges Admissions Service（UCAS）
- Universities and Colleges Employers Association（UCEA）
○主な提案：
- Equality Challenge Unit（ECU）、Higher Education Academy（HEA）、Leadership Foundation for Higher Education（LFHE）の中心機能を一つに統合して、公平性と多様性、学習と教育、リーダーシップとガバナンスに関し、より迅速に高等教育機関を支援しうる新たな機関を設立すべきである。
- Higher Education Careers Services Unit（HECSU）、Higher Education Statistics Agency（HESA）Jisc、Universities and Colleges Admissions Service（UCAS）は、データ関連の機能とサービスをより効率よく有効に行えるよう、戦略的に提携すべきである。
- Higher Education Careers Services Unit（HECSU）は、すでに大規模な商業組織として、その収入の95％を商業活動から得ているため、今後2年間で大学機関からの会費を無料とする体制にすべきである。
- フォーラムを設立し、UUKとGuild HEの両機関から議長を選出すべきである。
最終報告書について、評価グループの議長を務めたDavid Bell 卿は“関係支援機関は英国の高等教育の成功に不可欠であり、大学等が世界クラスの教育や研究を行うのに貢献している。しかしながら、ここ数年、政策と助成金制度の大改革が進んでいる。長年ほとんどの機関は同じ体制でやってきたが、これからは新しい環境に対応し、ダイナミックで多様性を増す高等教育機関のニーズを満たすことが重要である。報告書では改革が必要な点を明確にした。機関間の重複を避け、資金をより有効に活用することが大学長ら関係者の最大の懸念事項であった。統合によってできる新機関は高等教育機関を引き続き支援すべきであり、そのためには全ての関係機関が協力して移行を進めてほしい。”と語っている。
Universities UK：Review recommends changes to higher education sector agencies
○報告書：REPORT OF THE REVIEW GROUP ON UK HIGHER EDUCATION SECTOR AGENCIES［PDF:1.05MB］
