【ニュース・イギリス】英高等教育機関出願者数が前年度比2%増

2015年1月30日、UCAS(University and College Admission Service)は、 2015学事年度(以下「年度」)における大学等への出願が同月15日に締め切られたことを受けて(※1)、出願状況の最終結果を発表した。
昨年の同時期と比較して、2%出願者数が増加(59万2,290人)。出願者数自体は過去最高を記録したが、近年の傾向を鑑みると増加率としては低い。

2015年度出願に関する主なポイントは以下の通り。

・実質的な英国からの申請者の増加率は1%であり(※2)、EU圏からは7%、EU圏外からは3%それぞれ増加している。

・18歳の出願率は英国全4地域で過去最高となっている。

・最も経済的に恵まれない地域からの若年層の出願率は英国全土で過去最高となっており、最も経済的に豊かな地域からの若年層出願率との差を縮めつつある近年の傾向を踏襲している。

・全体として、女子の出願者数は男子よりも9万人以上多かった。この男女差の拡大傾向は近年広がるばかりである。殊に、イングランドの若年層においては、女子の出願者数は男子より36%多かった。

・ロンドンでの需要傾向の高まりが最も大きく、18歳人口の44%が出願した。

・英国全土では18歳・19歳の出願者数は上昇したが、20歳以上からの出願者数は減少した。

カーノック=クックUCAS理事長は以下のように述べている。
「若年層からとEU圏からの英高等教育への需要は、2015年度も引き続き伸びており、経済的に恵まれている/いない地域からの出願率の差が縮まる傾向にあるのは喜ばしい限りである。とはいうものの、今年の出願数増加率は目を引く数字でなく、成人の出願率の低下も記録された。しかしこれは、英国における就職状況が回復傾向にあるためかもしれない。」

※1 出願締切りが10月15日と早めに設定されていた、医学・歯学・獣医学コース、オックスフォード大学及びケンブリッジ大学の全コースを含む。

※2 統計上、前年度とより正確な比較をするため、2015学事年度より新たにスコットランドでUCASが実施した大規模な教員育成課程支援制度に申請した4,000人あまりの出願者数は増加数としてカウントしていない。

なお、ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)およびRussell Groupの反応は、それぞれ以下「URL2」、「URL3」のとおり。

URL1: https://www.ucas.com/corporate/news-and-key-documents/news/number-students-applying-uk-universities-and-colleges-rises-2
URL2: https://www.gov.uk/government/news/business-secretary-celebrates-record-applications-for-uk-higher-education
URL3: http://www.russellgroup.ac.uk/russell-group-latest-news/157-2015/10590-rise-in-university-applications/

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